夏バテにはご注意を

コラム No.103 2009年発行

 
 今年もまた暑い季節がやってきました。
この時期になると体の変調としてよく現れるのが、だるさや食欲不振、下痢や便秘、時には頭痛やめまいなど色々な症状を伴う、いわゆる「夏バテ」です。皆様の中にも経験された方がいらっしゃるのではないでしょうか。

  夏バテの原因の一つに「自律神経の乱れ」があります。空調設備が整った現在、室内と外気の温度差が体に負担をかけてしまい、その負担が積み重なり自律神経のバランスが崩れ、夏バテを引き起こしてしまうのです。
冷房を入れる際は室温と外気温の差を5℃以内にするとある程度は防ぐことができます。
体の冷やしすぎには気をつけましょう。
  他にもビタミンやタンパク質の不足も夏バテを招く原因の一つとされています。

  ところで、夏バテ解消に思いつく食品の一つとして「うなぎ」があります。
  「うなぎ」にはビタミン群、その中でも特にビタミンAが豊富に含まれています。
このビタミンAは細胞の成長や修復を助け、皮膚、目、肝臓や骨などの重要臓器を健康に保つ働きがある他、風邪を引きにくくする効果もあり、夏バテに効果があるとされています。

  同じくビタミンAを多く含む食品として小松菜やほうれん草といったような野菜類がありますが、ビタミンAは脂に溶けやすい成分のため、脂肪分を多く含む「うなぎ」のほうが野菜類よりもビタミンAを体内に取り込みやすく夏バテ防止にはピッタリなのです。
  ただし、妊娠されている方のビタミンAのとりすぎには注意が必要ですので、かかりつけの医師にご相談ください。

  バランスのとれた食事と体調の管理に気をつけて、暑い夏を乗り切りましょう。
                                                    薬剤師 澤井 敏朗