夏の落とし穴・高齢者の脱水症状

コラム No.121 2012年7月発行

 夏、高齢者が気をつけなければならない事のひとつに「脱水症状」があります。
 夏はたくさん汗をかきます。入浴中や寝ている間にも汗をかき、体内の水分が失われ、血液がドロドロになり、夜間に脳梗塞や心筋梗塞をおこす危険性が高まります。飲酒も尿量を増加させ脱水の原因になります。

 脱水の症状
  ①ぐったりして元気がなくなる
  ②37度程度の微熱が出る
  ③皮膚が乾燥する
  ④吐き気がおこる
  ⑤尿の量がへる
  ⑥意識がもうろうとする

 こんな症状があらわれたら要注意!すぐに受診しましょう。
 高齢者の理想的な水分補給量は成人女性とほぼ同じ程度の1日1~1.5Lです。体内の水分量は成人男性では体重の約60%程度ですが、年をとると筋肉や脂肪の老化により約55%ほどになってしまいます。だからこそ、こまめに水分を補給する必要があります。
 高齢者はのどの渇きを感じにくくなるので、入浴後にコップ一杯の水を飲むなど、意識して定期的に水分をとりましょう。ミネラルウォーター、スポーツドリンクまた麦茶もおすすめです。麦茶はカフェインを含まず、体に良い栄養素もたくさん入っています。抗酸化作用や胃の粘膜を保護する働きもあります。水筒に麦茶を入れて携帯する、というのは「エコ」の点でも理想的ですね。

薬剤師 佐々木 智子