薬の値段の決まり方

コラム No.133 2014年7月発行

薬局の窓口でお話していると、「薬の値段はどうやって決まるの?」という質問をいただくことがあります。
保険診療で医療機関を受診したときに、病院や薬局でもらう薬の値段(薬価)は、国(厚生労働省)が決めています。
これは全国共通のもので、2年に1度見直しが行われています。
 
新薬の場合は2つの方法があります。
1つは、すでに同じような効き目の薬があるときは、その薬の1日分の薬価を基準に、新薬の有用性や画期的な効果があるのかなども評価に加えられて薬価が決まります。
もう1つは、その新薬と同じような効き目の薬がない場合には、原価をもとに薬価が決まります。
製薬企業が提示する材料費や製造経費などから計算されます。
 
ジェネリック医薬品(後発医薬品)の場合は、特許期間が切れた後に発売するため、新薬のような研究開発費がかからないことから、新薬の薬価の60〜70%以下と決められています。以上のように薬価は決められていますが、決める過程については公開されていません。
そのため、今自分が飲んでいる薬の値段が本当に妥当なものなのかは知ることができません。
多くの製薬企業が他の製造業などと比べ高い利益をあげていることや、製薬企業と臨床研究の間で起きた事件も合わせて考えると、企業の利益のために不当に高い薬価がついていることも考えられます。

民医連に加盟する私たちひまわり薬局では、医療費を抑えるためにも高すぎる薬価は是正すべきだと考えています。

(事務員 石井 智幸)