「積極的平和主義」より社会保障の充実を

コラム No.137 2015年3月発行

昨年ひまわり薬局では患者さんのお宅にお伺いし、薬局へのご意見や困っていることをお聞きするとりくみを行ないました。寄せられた貴重なご意見は今後の薬局づくりに生かしていきたいと思います。あらためてご協力いただいたみなさまにお礼を申し上げます。

 

訪問した患者さんから、生活が厳しく将来の見通しが持てないことや、健康面での不安、介護者も高齢のため御夫婦の介護についての不安などの声がよせられました。

このような状況のなかでいま日本はどんな方向にすすもうとしているのでしょうか?

昨年6月に「医療介護総合法」が決まり、政府はそれにもとづいて社会保障を削減するための動きを具体化しようとしています。生活保護費の引き下げや、医療分野では大病院を受診する時に紹介状を持たないと5千円~1万円徴収されること(この分は病院の収入になるわけではありません)など、自己負担増によって受診抑制をすすめようとしています。介護分野では介護保険利用の制限と利用料増とともに、1月には介護事業者が事業を運営するための介護報酬を2.27%引き下げることを決めました。これが実施されれば、事業を廃止または縮小せざるをえない事業者が出て、必要な介護を受けたくとも受けられない「介護難民」がいっそう増えてしまいます。

 

<主な医療、介護の改悪>

医療

  • 紹介状なしの大病受診時の定額負担
  • 70~74歳の窓口負担1割を2割に
  • 入院給食費の自己負担引き上げ
介護
  • 介護報酬2.27%引き下げ
  • 軽度者「要支援1・2」の保険外し
  • 特養の入居条件を要介護3以上に限定

 

一方、2015年度の政府予算では軍事費が過去最高になりました。一昨年の「秘密保護法」昨年の「集団的自衛権行使容認の閣議決定」、そして1月の「イスラム国」による日本人人質事件を理由に、安倍政権は「戦争できる国づくり」へとなお加速しているように見えます。

わたしたち民医連は、人権を尊重し社会保障を充実させることと、人を殺したり殺されたりする戦争に向かう政策は相いれないものと考えています。    みなさんと一緒に、より人権が尊重される平和な日本をめざした薬局活動や運動にとりくんでいきたいと思います。

(事務長 十河 一雄)

 昨年ひまわり薬局では患者さんのお宅にお伺いし、薬局へのご意見や困っていることをお聞きするとりくみを行ないました。寄せられた貴重なご意見は今後の薬局づくりに生かしていきたいと思います。あらためてご協力いただいたみなさまにお礼を申し上げます。    訪問した患者さんから、生活が厳しく将来の見通しが持てないことや、健康面での不安、介護者も高齢のため御夫婦の介護についての不安などの声がよせられました。  このような状況のなかでいま日本はどんな方向にすすもうとしているのでしょうか?    昨年6 月に「医療介護総合法」が決まり、政府はそれにもとづいて社会保障を削減するための動きを具体化しようとしています。生活保護費の引き下げや、医療分野では大病院を受診する時に紹介状を持たないと5 千円~1 万円徴収されること(この分は病院の収入になるわけではありません)など、自己負担増によって受診抑制をすすめようとしています。介護分野では介護保険利用の制限と利用料増とともに、1 月には介護事業者が事業を運営するための介護報酬を2.27%引き下げることを決めました。これが実施されれば、事業を廃止または縮小せざるをえない事業者が出て、必要な介護を受けたくとも受けられない「介護難民」がいっそう増えてしまいます。

 

 一方2015 年度の政府予算では軍事費が過去最高になりました。一昨年の「秘密保護法」昨年の「集団的自衛権行使容認の閣議決定」、そして1 月の「イスラム国」による日本人人質事件を理由に、安倍政権は「戦争できる国づくり」へとなお加速しているように見えます。    わたしたち民医連は、人権を尊重し社会保障を充実させることと、人を殺したり殺されたりする戦争に向かう政策は相いれないものと考えています。    みなさんと一緒に、より人権が尊重される平和な日本をめざした薬局活動や運動にとりくんでいきたいと思います。

 

(事務長 十河 一雄)