秋の味覚
コラム No.140 2015年9月発行
新米の収穫も近づき、季節ごとに旬の野菜や果物、魚介類の豊富な北海道でもいっそう楽しみな実りの秋を迎えました。
そんな北海道に長年暮らしていても、東北出身の人にとっては「秋といえば芋煮」ではないでしょうか。
この芋煮という名称は単純に料理を表すだけでなく、それを調理すること、調理して食べる集まり(芋煮会)のことでもあります。
芋煮会は、花見やバーベキューを想像するとわかりやすいかもしれません。食材や調理器具を持ち寄って、里芋と肉や野菜を入れた汁物を作って食べます。
この時期、河川敷や公共の広場には簡易的なかまどが置かれ、スーパーやコンビニには薪が並びます。大きな鍋のレンタルもあって、普段ひとり暮らしの人でも大人数で集まることができ、会社や町内会の行事としてもよくおこなわれるので、芋煮会の経験がない人は稀と言えます。 芋煮またはそれに似た料理や行事は青森県以外の東北各県にあり、秋の風物詩となっています。地域によって醤油味か味噌味か、肉は牛か豚か鳥か、里芋以外の食材は様々なのも面白いところです。
里芋のねばりけの成分は免疫力を高めるので、風邪をひきやすいこの季節にはありがたい食物です。水溶性のため、芋煮のように汁物だと摂りやすいでしょう。
みなさんも東北の秋の味覚を、お好みの故郷の食材でお試しください。
菊水ひまわり薬局(事務員 清水 恵(山形県出身))