インフルエンザについて

コラム No.141 2015年11月発行

注射を怖がる子どものイラスト

インフルエンザは、インフルエンザウイルスがのどや気管支、肺で感染・増殖することによって発症する病気です。例年11~12月頃に流行が始まり、1~3月にピークを迎えます。
インフルエンザウイルスは、大きく分けて、A型、B型、C型の3つに分類されます。
A型は感染力が強いため、大流行を起こしやすく、過去には「香港かぜ」や「スペインかぜ」などの世界的な流行で多くの死者を出しました。A型には「亜型」(サブタイプ)があり、たとえばA香港型はA/H3N2型、Aソ連型はA/H1N1型というように表現されます。
B型は、A型よりも症状が比較的軽く、限られた地域で流行するケースが見られます。B型には亜型というものはなく、「山形系統」と「ビクトリア系統」の2系統に分類されます。
C型は鼻かぜ程度の軽い症状ですむことが多く、毎年流行を繰り返しているのは、A型とB型のウイルスです。
インフルエンザの予防法の一つに、インフルエンザワクチンの接種があります。今シーズンは、A型が2種類(H1N1型とH3N2型)とB型が2種類(山形系統とビクトリア系統)入ったワクチンです。

 

インフルエンザワクチンは、感染を完全におさえることは出来ません。ある程度の発症をおさえ、重症化を防ぐ効果があることがわかっています。接種してから抗体ができるまで2~3週間かかるので、ワクチンを接種する場合は、流行前に接種しましょう。ワクチンの効果の持続は個人差がありますが、接種後5ヶ月間くらいです。
流行期には、うがい手洗いをこまめに行い人ごみへの外出を控える・外出時にはマスクをつける・室内は適度な湿度に保つ(50~60%)・バランスのよい食事と十分な休息をとるなどして、インフルエンザの予防を心掛けましょう。

(薬剤師 藤井 幸恵)