寒い季節、風邪にご注意
コラム No.147 2016年11月発行
まもなく本格的に雪が降ってくる寒い季節になりました。これからは寒さと乾燥により、風邪やインフルエンザにかかりやすくなります。風邪の多くは、数日で自然に治ります。ただし、風邪は万病のもと。こじらせると中耳炎、扁桃炎、気管支炎、肺炎などを起こしたり、もっと重い合併症を発症することもあります。気になる症状があれば、無理をしないで受診することが大切です。
風邪のほとんどは、ウイルスなどの病原体が鼻や口から肺にかけての空気の通り道に感染しておこります。さらに暑さや寒さなどの温度変化、寝不足、栄養の偏りなどで抵抗力が低下した時にかかりやすくなります。風邪のひき始め、発熱時は特に感染力が強いので、周囲の人にうつさないように注意しましょう。
予防法としては、手洗い、うがいが有効です。外出後はもちろんですが、朝もうがいをして、寝ている間に口の中で増殖した細菌等を洗い流すとよいと言われています。
また、空気が乾燥すると、のどの粘膜の防御機能が低下し、風邪やインフルエンザにかかりやすくなります。部屋の中の適切な温度(18~22度)と湿度(45~60%)をできるだけ保ち、適度に換気を行いましょう。
風邪が早く治る特別な食事はありません。できるだけ栄養があって消化の良いものをきちんととって、温かくして、十分体を休めましょう。風邪をひいた時は、体から水分が失われがちなので、水分をこまめに補給しましょう。インフルエンザの初期にウイルスの増殖を抑える薬はありますが、ほとんどの風邪薬は症状を和らげるためのものですので、他人にうつさないためにもマスクをし、不要な外出を避け、自宅で安静にして、体力を回復させましょう。
(薬剤師 横内 小静)