生活習慣病に「第6の栄養素」―食物繊維を!! 食物繊維のはたらき

コラム No.86 2006年発行

 5大栄養素、蛋白質、脂質、糖質、ビタミン、ミネラルの他に食物繊維が「第6 の栄養素」として注目されています。食物繊維には水溶性と不溶性の2種類があります。
 水溶性食物繊維は果物のペクチン、こんにゃくのグルコマンナン、海草のフコイダンなどがあります。ヌルヌルとして、胃から小腸への食べ物の移動をゆるやかにするので食後の急速な血糖上昇が抑えられます。また、悪玉(LDL)コレステロールなどを吸着してくれるので高脂血症や動脈硬化の予防効果があります。大腸では善玉菌のエサとなり善玉菌を増やすことによって腸内環境を整える働きがあると言われています。
 不溶性食物繊維は野菜穀物のセルロースやキノコのグルカンなど保水性が高く、大腸内で水分を含むと数倍から数十倍にふくらむものもあります。便はかさを増し、柔らかくなり大腸の運動が活発になって便通がよくなります。
 1日に必要な食物繊維の目標摂取量は20gから25gと言われています。食品100g中に含まれる食物繊維は、干しヒジキで約50g、乾燥切干大根で約 17g、インゲン豆で約19g、きのこ類は100g中3~4g程度です。いろいろな食品から毎日の食事でとりたいものです。ただし、食物繊維の摂りすぎは脂溶性ビタミン(A、D、E、K)やミネラル(カルシウム、鉄、亜鉛など)の吸収を阻害するおそれがあります。ダイエット食品やサプリメントを多く摂る方はご相談ください。
                                          菊水ひまわりファミリー薬局 高田 聖子