花粉症の対策はお早めに

コラム No.89 2007年発行

 花粉症とは、花粉によって起こるアレルギー性疾患のことです。鼻炎などの症状は、もともと花粉などの外部から進入する異物から自己を守る反応のひとつですが、行き過ぎるとかえって困ったことになります。

 症状の出る期間は、生活している地域や、ひとりひとりの体質により千差万別です。わずかな量の花粉に反応する人や、花粉の飛ぶ季節が終わっても長引く人もいます。一般には、飛ぶ花粉の量が増えるほど症状も強くなります。花粉が飛び始める2週間くらい前から薬を使い始めることで、症状を軽くしたり、期間を短くできます。毎年の症状の出方を振り返り、早めの受診、治療を行いましょう。

 北海道では、全国的に有名なスギ花粉症は少なく、シラカバの花粉症が多いようです。シラカバの花粉がとぶ時期は、およそ4月から6月までです。その他、カモガヤは主に5月から7月、ヨモギは8月から9月頃です。アレルギーを引き起こす原因となる花粉には個人差があり、複数の植物が原因となっている場合もあります。

 症状が苦しくないときには、つい薬を忘れがちになりますが、花粉は飛び始めると、一定の時期が過ぎない限り飛び続けます。「今日は楽だから……」と薬を休んで、いったん鼻や目の粘膜が炎症を起こすと、過敏になって元にもどりにくくなります。薬を早めに使いはじめ、医師の指示がある間はきちんと使い続けることが大切です。
                                            薬剤師 工藤 仁起子