筋トレについて

コラム No.90 2007年発行

 筋肉量は加齢とともに減少しますが、特に衰えやすいのが脚の筋肉です。
 20歳代をピークにして一般に70歳代では20歳代のころの半分程度になっています。脚の筋肉量が減ると歩幅が狭くなり、徐々に脚が上がらなくなりすり足になってしまいます。つま先が上がらなくなるため、ちょっとした段差でもつまずいて転倒しやすくなります。
 こうした転倒による危険を防ぐためには脚の筋肉を鍛えることが大切です。
 また、脚は『第2 の心臓』とも言われ、脚の筋肉を動かすことでポンプのように血液を全身に送り出します。
 こうした機能は低下したお年寄りの心臓の働きを助けます。
 筋力トレーニング(筋トレ)と聞くと「高齢だから…」とあきらめてしまう人もいますが、様々な調査から、80歳代でも適切な筋トレにより筋肉量が増えることが分かっています。
 まずは普段の生活の中のちょっとした合間やテレビを見ながら筋トレに取り組んでみましょう。1回の運動量は少なくても少しずつでも続けることで効果が期待できます。
 腰や膝などの関節に痛みがある人はまず専門医に相談しましょう。
 運動により痛みが生じた場合はすぐに中止しましょう。
 自分の筋力に合った運動を行い、無理をしないことが大切です。
                                               薬剤師 佐藤 栄吉