こむら返り
コラム No.97 2008年発行
睡眠中や、激しい運動をした後にふくらはぎがピーンと張って耐えがたい思いをしたことがある方も多いのではないでしょうか。
こむら返りとは、ふくらはぎや足の裏の筋肉、太ももの筋肉などが突然けいれんを起こして強い痛みを生じるものです。俗に言う「足がつった」状態のことです。
こむら返りが起こりやすい状態としては、睡眠中や急激な運動をした場合、水泳などで体が冷えた場合や妊娠中などがあげられます。また、肝硬変などの肝疾患、脱水などの水・電解質の代謝異常、腰椎椎間板ヘルニアや変形性腰椎症などの神経系の障害、糖尿病や甲状腺機能低下症などの内分泌障害があっても起こりやすくなると言われていますが、はっきりした原因はわかっていません。
予防として、運動の前や寝る前に3分程度、ふくらはぎのマッサージをしたり、運動後に水分や塩分を補給する事でこむら返りが起こりにくくなります。カルシウム・マグネシウムなどのミネラルを補うことも良いと言われていますが、とりすぎると逆に体に悪いこともあるので医師・薬剤師に相談してから服用してください。また治療には、筋弛緩作用のある薬や漢方薬が使われます。
こむら返りは心配のないものがほとんどですが、頻繁に起こったり長時間持続する場合は重大な疾患が隠れていることもありますので、その時は医師の診察を受けることをおすすめします。
※こむら:ふくらはぎの別名
薬剤師 土井 正剛