体に貼る薬について

特集 No.100 2009年発行

体に貼る薬 (貼付剤)には、貼った部分にだけ効果のあるもの (局所タイプ)と、体に貼ることで薬を飲んだ時と同じような効果を得られるもの (全身タイプ)があります。
局所タイプ
 薬を貼った部分にのみ効果があります。
そのため薬を貼る場所は、皮膚や筋肉など痛みや炎症のあるところ、またはその周囲に限ります。
皮膚や筋肉で効果を発揮し、全身にはほとんど作用しないようになっています。
しかしまれに、痛み止めの貼り薬では副作用として喘息の悪化や胃腸障害などの症状が出ることがありますので注意が必要です。

 <局所夕イプの薬>
 薬剤名
パップ剤ラクール冷シップ、ラクール温シップ
消炎鎮痛剤ゼポラスパップ、スミルテープ
ステロイド貼付剤フルベアンコーワテープなど
口内炎治療剤アフタッチなど
うえのめ・いぼ
たこを柔らかくする
スピール膏など
 
かゆくなってきたらはがしたり、皮膚をよく乾かしてから貼るなどの注意が必要です。
全身タイプ
 貼り薬を貼った皮膚から薬が体の中に入って飲み薬のように効果を発揮します。
そのためシップのような感覚で使用せず、使用方法を守ることが大事です。
効果が長く続くため、1日1回貼り替えるだけで良い薬や何日かおきに貼り替える薬などがあります。
また、皮膚から吸収されて体の中に入るため、食事の影響を受けません。
切って使ってはいけない薬もあります。

 <全身夕イプの薬>
 薬剤名
狭心症治療剤フランドルテープS、ニトラステープなど
気管支拡張剤ツロブテロールテープなど
女性ホルモン剤エストラダーム貼付剤など
禁煙補助剤ニコチネルTTSなど
 
貼る場所をずらすなどして毎回同じ場所に貼ることをさけてください。
※病院によっては使用していない薬や、成分が同じでも名前が違う薬を扱っている場合もありますのでご注意下さい。
貼付剤は貼るだけで効果が出るため、使い方が簡単ですが皮膚がかぶれることがあります。

現在薬を貼っていなくても、貼っていた部分を日光に当てると赤みやかゆみが出るものもありますので、使用する際はよく説明を受けてください。
また、人にゆずることはしないで下さい。

貼り薬の種類によっては、MRIなどの磁気を発する検査を行ったり、AEDなどの電気を与える装置を使用する場合に、はがす必要がある薬もあります。
また、貼り薬でも飲み薬の効果に影響を与えることがありますので、使用している薬がある場合には必ず医師や薬剤師にお知らせください。


(薬剤師 佐藤 圭)