関節リウマチの治療

特集 No.102 2009年発行

ここ数年、新しい薬が開発され、関節リウマチの薬物治療がより効果をあげています。今回はその新しい治療法の紹介を含めて関節リウマチについてお話します。
関節リウマチとは
 関節リウマチは免疫の異常によって全身の関節に炎症が起こり、関節が壊れていく病気です。初めのうちは関節の痛みと腫れが主な症状ですが、進行するにつれ、関節をつくる骨と軟骨が壊れて変形が起こります。
 
薬物療法
 炎症による痛みと腫れを和らげると同時に、免疫の異常を抑えて関節の破壊を防ぐことを目標にします。最近では新しい薬が開発され、痛みや腫れが消える状態まで回復することも可能になってきました。
 抗リウマチ薬(DMARD)
免疫の異常を抑える薬です。関節の破壊は発症から2年以内に急速に進むため、早い段階(診断後3ヶ月以内)から使われることが多くなりました。
リウマトレックス、メトレート、アザスルファン、リマチル、リドーラ、アクタリット、ブレディニン、プログラフ など
 ステロイド薬
免疫の異常をある程度抑えて炎症を鎮め、痛みや腫れを和らげる薬です。適切に使うと、強力な効果が期待できる薬ですが、急に自己判断でやめると症状が悪化することがあるので、医師の指示通りに飲むことが大切です。
プレドニゾロン など
 非ステロイド性消炎鎮痛剤(NSAID)
痛みと炎症を抑える、速効性のある薬です。長期間服用する場合は胃腸障害に注意が必要です。
ロブ、ボルタレン、クリノリル、インテバンsp、ニコナス、ブルファニック、ボナフェック坐薬 など
 生物学的製剤(サイトカイン阻害薬)
ここ数年で開発された新しい薬で、生物が産生したタンパク質を利用して作られています。
関節リウマチの炎症は「炎症性サイトカイン」という物質が引き起こします。もともとは体に侵入した細菌などをやっつけるための物質ですが、関節リウマチの人では自分の関節を攻撃してしまいます。
この炎症性サイトカインの働きを抑える薬をサイトカイン阻害薬といいます。サイトカイン阻害薬は治療効果の高い薬で、関節の破壊を90%近く抑えるといわれています。
現在、日本では4 種類のサイトカイン阻害薬が使われています。
・レミケード
点滴。最初の点滴後、2週目、6週目に点滴し、その後は8週間に1回点滴する。リウマトレックス又はメトレートをいっしょに服用する。
・エンブレル
週2 回皮下注射。患者さん自身で注射することも可能。
リウマトレックス又はメトレートをいっしょに服用しなくても使える。
など
※病院によっては使用していない薬や、成分が同じでも名前が違う薬も掲載しておりますので、ご注意ください。


サイトカイン阻害薬の問題点は何ですか?

炎症性サイトカインは、もともと細菌やウイルスから体を守る働きをしている物質です。そのため、サイトカイン阻害薬を使うと、「結核」や「肺炎」などの感染症にかかりやすくなります。予防の薬をあらかじめ飲むことがあるので、医師の指示をよく聞いてください。
また、サイトカイン阻害薬は高価な薬です。健康保険は適応されますが費用についてもあらかじめご確認ください。

(薬剤師 高倉 裕美)