子どもの下痢・嘔吐はなぜ起きる??

特集 No.103 2009年発行

★子どもの下痢・嘔吐症状の原因は
・ウィルス感染(ロタウィルス・ノロウィルスなど)
・細菌性の下痢嘔吐(病原性大腸菌O-157 などの食中毒)
・薬剤性の下痢(抗生物質によるものなど)
・乳糖不耐症
などによるものがあります。
そのうち80~90%がウィルス性のものと言われています。
ウイルス感染による下痢嘔吐の症状
 ウィルス性の下痢嘔吐は、まず突然の嘔吐で発症します。途中から下痢が始まり、1日に2~15回、下痢をすることもあります。このとき便は酸っぱい臭いの白色か黄色っぽい水様便となり、熱が出る場合もあります。
治療について
 吐き気が続くのは数時間から1日程度ですが、その間水分を補給しても吐いてしまうことが多いです。しばらくは吐き気止めの薬を使って様子をみましょう。熱が出るときは、体調によっては熱さましの薬を使ってよいでしょう。嘔吐が止まったら、嘔吐や下痢により失われた水分の補給が必要です。
このとき、水分とともに電解質も失われているため、電解質補充もあわせたアクアライトや小児用ポカリスエット、オーエスワン等の乳幼児用イオン飲料で頻繁に水分補給しましょう。最初は大さじ1杯くらいの少量を与え1時間ほど嘔吐しないか確認してから追加して飲ませるとよいでしょう。下痢によるおむつかぶれも心配されるので、シャワーで洗う等清潔にしてあげてください。
二次感染
 二次感染は人から人へと感染するものです。ロタウィルスの場合、便1g中に10~1000億個ものウィルスが含まれているうえに感染力が非常に強く、10個程度のウィルスでも感染が起こります。ノロウィルスも同様で、便や嘔吐物、汚染された衣服などの処理には使い捨ての手袋やマスクを使うなど十分注意してください。
使用する薬について
  吐き気止めの薬
薬品名 ナウゼリンドライシロップ、ナウゼリン坐薬、ノーゼア錠 など
ナウゼリン坐薬と熱さましの坐薬を一緒に使う時はナウゼリン坐薬を先に使用し、30分以上あけてから熱さましを使用してください。ナウゼリン坐薬は1度使ったら次回使用には8時間以上あけてください。点滴で吐き気止めのお薬を使用していた場合は4~5時間あけてください。
 熱さましの薬
薬品名 アニルーメ細粒、アニルーメ錠、アンヒバ坐薬 など
1度使ったら次回使用には5~6時間あけてください。
 整腸剤
薬品名 レベニンS、ラックビー微粒、ミヤBM 錠 など
吐き気で食事が取れない場合は、食後でなくても服用可能です。
 電解質補充
薬品名 ソリタT顆粒
100ccの水または人肌程度のお湯に溶かし、2~3時間毎に、または水分を欲しがる度に与えてください。
 おむつかぶれ
薬品名 エキザルベ、サトウザルベ軟膏 など
エキザルベは弱いステロイドを含んでいます。炎症をよく抑えてくれます。
 下痢止め
薬品名 ロペミン細粒、ロペミンカプセル、ロートエキス散 など
ロートエキス散は整腸剤と混合して出されることがあります。

 

乳糖不耐症ってなに??

牛乳やヨーグルトなどの乳製品を飲食後に下痢やおなかの張りがおきることです。ただし、下痢する=アレルギーというわけではありません。乳製品の中に含まれている乳糖を腸管から吸収するために必要な乳糖分解酵素(ラクターゼ)が不十分なために起こる症状です。母乳やミルクによる赤ちゃんの下痢はそのほとんどがラクターゼの活性低下によるものです。乳糖不耐症は日本人の場合、白人に比べて非常に多く、実はほとんどの人が乳糖不耐症と言われています。しかし、ラクターゼを生まれつき全く持っていない人は非常にまれです。ラクターゼはお薬として乳糖分解酵素製剤(オリザチーム顆粒等)があります。また、あらかじめ乳糖が分解されている牛乳も市販されています。

(薬剤師 湯沢 拓也)