骨粗鬆症(こつそしょうしょう)

特集 No.113 2011年4月発行


骨粗鬆症とは?
  骨組織は常に骨の破壊(骨からのカルシウムの放出)と骨の形成を行っています。
通常この2つはバランスがとれていますが、骨の破壊のほうが強くなって骨折の危険が高まった状態が骨粗鬆症です。例えて言うと健康な骨の内部はスポンジの
ような感じですが、骨粗鬆症では骨の密度が減少しスカスカのレンコンのような状態になっています。
日本人では1000万人以上が骨粗鬆症になっていると言われています。
  
 



なぜ骨粗鬆症が問題なのか?
  骨粗鬆症になると、骨がもろくなり骨折しやすくなります。例えば大腿骨頸部(だいたいこつけいぶ=太ももの付け根の骨)の骨折は年間12万件以上起きていると推測され、それが原因で寝たきりになる高齢者が約半数近くいると言われています。寝たきりになると認知症の危険が高まってしまったり、体力が低下して感染症にかかったり、誤嚥性肺炎を起こす事で生命の危険にもつながります。元気に生活する為にも骨粗鬆症の予防と治療はとても重要です。



骨粗鬆症は男性よりも女性に多い?
  女性ホルモンのひとつエストロゲンには骨の破壊を抑える働きがありますが、女性は閉経をきっかけにエストロゲンが急激に減少してしまいます。その為、骨量は閉経直後では急激に減り、それ以降は緩やかに減少し、80歳代では40歳代の約半分の骨量になります。



骨粗鬆症はどんな予防をすればよいのか?
 

 適度な日光(紫外線)はカルシウムの吸収を助け、筋肉をつける事で骨量を増やすと考えられていますのでカルシウム・ビタミンD の摂取に加え、適度な日光
浴と運動も心がけてください。
 また、喫煙やアルコール、カフェイン、塩分の過剰摂取は避けましょう。
ステロイドホルモンの服用を続けている人も注意が必要です。


一般に骨量は20歳前~30代前半に最大になり、30~40代までは骨の破壊と形成のバランスがとれていると言われています。30歳前くらいまでに骨量を高めて貯蓄をしておく事は加齢や閉経に伴って骨量が減少しても骨折の危険を減らすことにつながるので、若い頃からの予防も大切です。


骨粗鬆症の治療に使う薬は最近発売された骨形成を促す作用の新しい注射剤や、ビスホスホネートという骨の破壊を抑える薬、エストロゲンの補充の薬、カルシウムの薬、カルシウムの吸収を助ける薬など様々な種類があります。
まずは自分の骨量がどの位あるのかを知っておく事が骨粗鬆症対策の第一歩です。
骨粗鬆症は、骨量測定、骨X線写真でしらべます。骨量測定法は、最近は著しく進歩し、早期に正確に骨粗鬆症の診断が出来るので医師に相談してみましょう。   


 

骨粗鬆症の治療で出されたボナロン®という薬は、服用後30分は食事も横になることもいけないのは何故ですか?また、歯科受診時の注意も教えてください。

ボナロン®は「口の中で噛んだり溶かしたりしないでコップ1杯(約180mL)の水でのみ、のんで30分以上経ってから食事を摂り、食事が終わるまでは横にならない」ことが正しいのみかたです。
ボナロン®などのビスホスホネート系と呼ばれる骨粗鬆症治療薬は、のんですぐ横になると、薬が食道の途中に止まり食道を荒らしてしまうことがあります。また、吸収が悪い薬なので水道水以外のもので服用すると更に吸収が悪くなり効き目が下がることが知られていますので注意してください。
歯科受診についてはボナロン®服用中に抜歯等の治療をきっかけに、あごの痛み・歯のゆるみ・歯ぐきの腫れなどの症状がでる場合がありますので処方医と歯科医に相談してください。普段から歯科検診やブラッシングなどで口腔内を清潔に保つようにしましょう。


(薬剤師 小森 映詞)