認知症とは

特集 No.117 2011年11月発行

 

認知症の原因の多くは「アルツハイマー型認知症」と「脳血管性認知症」
認知症は、脳が障害されておこります。その原因は、頭蓋内の病気によるもの、身体の病気によるものなどたくさんあります。しかし、多くは「アルツハイマー型認知症」と「脳血管性認知症」です。認知症全体の約1割は原因となる病気を適切に治療することで認知症症状が軽くなるといわれています。
1)アルツハイマー型認知症とは
認知症をきたす疾患の中で一番多い疾患です。その原因は不明ですが、脳の神経細胞が急激に減ってしまい、脳が萎縮して(小さくなって)知能低下や人格の変化がおこります。
初期の症状は、徐々に始まり、ゆっくり進行するもの忘れが特徴です。古い記憶はよく保たれますが、最近の出来事を覚えることができません。うつ症状や妄想ではじまることもあります。
グラフ
2)脳血管性認知症とは
脳の血管が詰まったり破れたりすることで、その部分の脳の働きが悪くなることによっておこります。
脳卒中の発作が起こるたびに症状が進んでいくこともあります。
   
グラフ

 

認知症の症状について
認知症の症状は中心となる症状(必ずみられる症状)と、それに伴って起こる周辺症状(必ずみられるとは限らない症状)に分けられます。
◆中心となる症状(必ずみられる症状)
【記憶障害】・同じことを言ったり聞いたりする・しまい忘れや置き忘れが目立つ・直前のことも忘れてしまう・蛇口やガス栓の閉め忘れ
【見当識障害】・今がいつなのか、ここはどこなのかなどわからなくなる状態
【判断力の低下】・寒くても薄着のまま外に出る・真夏でもセーターを着ている
◆周辺症状(必ずみられるとは限らない症状)
・人によって差があり、怒りっぽくなったり、不安になったり、異常な行動がみられたりする

 

老化による「もの忘れ」と認知症による「もの忘れ」の違い

 

老化によるもの忘れ認知症のもの忘れ
体験の一部分を忘れる体験全体を忘れる
ヒントを与えられると思い出せる新しい出来事を記憶できない
時間や場所など見当がつくヒントを与えられても思い出せない
日常生活に支障はない時間や場所などの見当がつかない
もの忘れに対して自覚がある日常生活に支障がある

 

認知症の方への理解と接し方
●認知症の方の考え方や行動の特徴をよく理解する
●視覚・嗅覚・味覚などの感覚も変化していることを理解する
●認知症があっても残った機能を生かして一定範囲の日常生活を持続する
●出来なくなったことを無理やりさせない
●自尊心を傷つけない→認知症だからと軽視したり、無視したりしない
●若い頃の生活や仕事を評価する
 回想法:自分の過去の生活や体験を思い出させることで自尊心の維持、感情や意欲の改善、言語機能の維持にも役立つ

 

早期発見が大切
●早い時期に受診するメリット
・アルツハイマー型では、薬で進行を遅らせることが出来る
・本人が病気を理解できる時点で受診し、工夫することで生活上の障害を軽減することも可能となる
・障害の軽いうちに、障害が重くなった時の後見人を自分で決めておくことができる
・病気を受け入れることで本人や家族に余裕が生まれる

 

 

認知症の原因の多くは「アルツハイマー型認知症」と「脳血管性認知症」
認知症は、脳が障害されておこります。その原因は、頭蓋内の病気によるもの、身体の病気によるものなどたくさんあります。しかし、多くは「アルツハイマー型認知症」と「脳血管性認知症」です。認知症全体の約1割は原因となる病気を適切に治療することで認知症症状が軽くなるといわれています。
1)アルツハイマー型認知症とは
認知症をきたす疾患の中で一番多い疾患です。その原因は不明ですが、脳の神経細胞が急激に減ってしまい、脳が萎縮して(小さくなって)知能低下や人格の変化がおこります。
初期の症状は、徐々に始まり、ゆっくり進行するもの忘れが特徴です。古い記憶はよく保たれますが、最近の出来事を覚えることができません。うつ症状や妄想ではじまることもあります。
グラフ
2)脳血管性認知症とは
脳の血管が詰まったり破れたりすることで、その部分の脳の働きが悪くなることによっておこります。
脳卒中の発作が起こるたびに症状が進んでいくこともあります。
   
グラフ

 

認知症の症状について
認知症の症状は中心となる症状(必ずみられる症状)と、それに伴って起こる周辺症状(必ずみられるとは限らない症状)に分けられます。
◆中心となる症状(必ずみられる症状)
【記憶障害】・同じことを言ったり聞いたりする・しまい忘れや置き忘れが目立つ・直前のことも忘れてしまう・蛇口やガス栓の閉め忘れ
【見当識障害】・今がいつなのか、ここはどこなのかなどわからなくなる状態
【判断力の低下】・寒くても薄着のまま外に出る・真夏でもセーターを着ている
◆周辺症状(必ずみられるとは限らない症状)
・人によって差があり、怒りっぽくなったり、不安になったり、異常な行動がみられたりする

 

 老化による「もの忘れ」と認知症による「もの忘れ」の違い

 

老化によるもの忘れ認知症のもの忘れ
 体験の一部分を忘れる体験全体を忘れる
新しい出来事を記憶できない
 ヒントを与えられると思い出せるヒントを与えられても思い出せない
 時間や場所など見当がつく時間や場所などの見当がつかない
 日常生活に支障はない日常生活に支障がある
 もの忘れに対して自覚がある もの忘れに対して自覚がない

 

 認知症の方への理解と接し方
○認知症の方の考え方や行動の特徴をよく理解する
○視覚・嗅覚・味覚などの感覚も変化していることを理解する
○認知症があっても残った機能を生かして一定範囲の日常生活を持続する
○出来なくなったことを無理やりさせない
○自尊心を傷つけない → 認知症だからと軽視したり、無視したりしない
○若い頃の生活や仕事を評価する
  回想法:自分の過去の生活や体験を思い出させることで自尊心の維持、感情や意欲の改善、言語機能の維持にも役立つ

 

 早期発見が大切
○早い時期に受診するメリット
・アルツハイマー型では、薬で進行を遅らせることが出来る
・本人が病気を理解できる時点で受診し、工夫することで生活上の障害を軽減することも可能となる
・障害の軽いうちに、障害が重くなった時の後見人を自分で決めておくことができる
・病気を受け入れることで本人や家族に余裕が生まれる

 

認知症は薬で治療できますか?

薬によって認知症の症状を軽くできるものもあります

認知症を根本的に治療する薬は今のところありません。しかし、最近アルツハイマー型認知症の症状の進行を遅らせる薬が出てきています。この薬は病気を治す薬ではありませんが、進行を遅らせることによって、ご家族と一緒に過ごす貴重な時間を長くすることが出来るのです。また、ご家族を悩ませている徘徊、人格変化、異常行動などの周辺症状のうち、いくつかの症状は、適切な薬を使用することによって軽くなることがあります。
新しいタイプの薬も出てきて、治療にも幅が出てくるようになりましたが、どなたにも合うというわけではありませんので詳しくは医師に相談してみましょう。認知症発症のリスクを少なくするためには、運動をはじめとする生活習慣病(高血圧、脂質異常症、糖尿病、肥満など)対策が大切です。また、脳の活性化を図るために、何事も楽しく行うことが大切でしょう。


錠剤

(薬剤師 西野 健三)