骨粗鬆症(こつそしょうしょう)の治療

特集 No.122 2012年9月発行

骨粗鬆症に用いられる薬は骨を強くして骨折を防ぐ効果があります。最近では、骨粗鬆症の治療は大きく進歩しており、重度の骨粗鬆症でも十分に骨量を増やすことができる薬や、服用の負担の少ない薬が登場しています。

治療の対象となる方は、「骨粗鬆症と診断された人《骨量が70%未満の人、あるいは70%以上80%未満で脆弱(ぜいじゃく)性骨折(骨の強度が低下したことによる骨折)の経験がある人》」と、「骨量が70%以上80%未満で、脆弱性骨折の経験はないが、その危険がある人」です。
「脆弱性骨折の危険がある人」とは、「閉経後の女性」か「50歳以上の男性」で、「親が大腿骨(だいたいこつ)の付け根を骨折」「喫煙習慣あり」「過度の飲酒あり」などに当てはまる人です。

骨粗鬆症


骨粗鬆症の治療薬は、作用によって次の3種類に分けられます。

(1)腸管からのカルシウムの吸収を促進し、体内のカルシウム量を増やす薬


(2)骨の形成を促進する薬


(3)骨吸収(骨の破壊)を抑制する薬

骨を壊す細胞に働きかけて、骨吸収を抑えます。毎日服用するタイプと、週に1回服用するタイプがあります。また、最近では4週に1回服用するタイプも発売されました。
中~重度の骨粗鬆症に使われますが、胃の中に食物があると、腸管からの薬の吸収が悪くなり、また食道に薬が留まってしまうと食道を荒らす恐れがあるので、「起きてすぐにコップ1杯の水で服用し、服用後30分は水以外を飲んだり食べたりしてはいけない、体を横にしてはいけない」などの制限があります。
ビスホスホネート製剤を飲んでいる方で、歯科治療を受けるときは、治療に影響することがあるので、歯科医にこの薬を飲んでいることを必ず伝えてください。
選択的エストロゲン受容体作動薬(エビスタなど)
女性ホルモンのエストロゲンと同様の作用で、骨吸収を抑えます。閉経後の女性にのみ使われます。
 
また、最も新しい骨粗鬆症の治療薬として、テリパラチド(フォルテオ®)という注射薬が登場しました。この薬は、骨をつくる細胞の働きを促進するという全く新しい作用で、骨量を増やします。1日1回の自己注射です。現在は、使用期間は2年と決められていて、2年間使用した後は、ビスホスホネート製剤などで治療を継続します

 

※病院によっては使用していない薬や、成分が同じでも名前が違う薬を扱っている場合もありますのでご注意ください。


骨粗鬆症の薬は飲み始めたら、ずっと飲み続けなければならないのですか?

きちんとした治療を続けることで骨密度は少しずつ回復していきますが、戻るまでには時間がかかります。しかし、骨密度が少しでも増えていくことで脆弱性骨折の危険性は低くなりますので、主治医の指示通りに薬の服用を続けることが大切です。

(薬剤師 片野 智)