気になる足の痛み

特集 No.126 2013年5月発行

気候もよくなり、ウォーキングやスポーツを始めようと思っている方も多いのではないでしょうか。今回は気になる足の痛みについて取り上げました。

外反母趾(がいはんぼし)

足の親指が小指側に曲がっているイラスト症状
指の付け根にある横中足じん帯(横アーチ)が伸びたり、緩んでしまった上に靴などの履物によって締め付けられることで、親指が小指側に曲がり変形した状態。筋力が弱く足の関節が柔らかい女性に多い。
原因
  窮屈な靴の常用やタイツやストッキングを長時間履くこと、かかとに体重を乗せたままペタペタと歩くペンギン歩きなどがあります。

 

治療法・予防法
・足に合う靴を選ぶ
・正しい歩き方を身につける
・体操をする(母指外転筋訓練、ホーマン体操)
・足底板(アーチを支えるために靴の中に入れるもの)やサポーターを装着する
・症状が進んだ場合は手術を検討

ゴムバンドを親指にかけ外側に引っ張る体操ホーマン体操
できれば幅の広いゴムバンドを親指にかけ、外側に開きます。5~10秒保った後、戻します。
これを1クール30回、一日3クール行います。立って歩くだけで進行する外反母趾を少しでも食い止めるには、この運動を、毎日続けることが大切です。

 

大人の扁平足(へんぺいそく)

土踏まずが崩れて扁平になる症状症状
つま先からかかとにかけての縦のアーチが崩れることにより、土踏まずが崩れて扁平(へんぺい)がおこり、足の裏が痛んだり腫れたりする状態。
原因
立ち仕事や加齢による筋力低下、体重増加、血行障害などがあります。

 

治療法・予防法
・早めに整形外科を受診する
・体操をする(つま先立ちをする・足指でグーチョキパーを作る)
・薬(非ステロイド性抗炎症薬の外用、内服)を用いる
・症状が悪化した場合には手術が必要

 

足底筋膜炎(そくていきんまくえん)

かかとが痛む症状症状
かかとにある足底筋膜に炎症が起こり、歩き始めにかかとにズキンとした痛みを生じる状態。スポーツを行う習慣がある若者や40代以降の男性、50 代以降の女性など幅広い年代にみられる病気。
原因
歩きすぎや立ちっぱなし、スポーツのやりすぎ、加齢、肥満などがあります。

 

治療法・予防法
・ストレッチを行う
・肥満の改善
・スポーツを控える
・足底板を装着する
・薬(非ステロイド性抗炎症薬の外用、内服)を用いる


足底筋膜炎にはどのようなストレッチをしたらよいですか?

足底筋膜炎にはどのようなストレッチをしたらよいですか?

 椅子に深く腰掛け、痛い方の足を反対側の太ももに乗せます。
 片方の手でかかとを支えて、反対側の手でつま先を持ち、ゆっくりと反らせ20秒ほど保ったあとゆっくりと戻します。
 歩き始める前(朝起きた時や長時間座っていたあとなど)に、1日10回程度毎日行うことで再発の予防になります。

片方の手でかかとを支えて、反対側の手でつま先を持ち、ゆっくりと反らせ20秒ほど保ったあとゆっくりと戻すストレッチ


(薬剤師 藤井 幸恵)