薬局で働く薬剤師の仕事とは? 在宅訪問の紹介

特集 No.129 2013年6月発行

薬剤師がどんな仕事をしているかご存じですか?
ひまわり薬局では、医師の処方せんに基づく調剤(薬をつくる事)はもちろん、副作用情報の収集活動、新薬の使用に関する調査・検討、地域の方々への健康増進を手助けするための勉強会の講師など、様々な仕事をしております。
今回は、そんな薬剤師の仕事のうちの1つである、在宅訪問について紹介します。

薬剤師の在宅訪問

高齢化社会に伴って、薬を自分で管理することが難しい患者さんが増えてきています。
また、胃ろうなどのチューブから薬を注入する経管栄養療法や、ガンなどの痛みへのコントロールが重要となる緩和ケア療法などを自宅で行っている患者さんも多く、薬に対する専門知識をもつ薬剤師が在宅訪問へ参加する事は社会的に求められています。

 

在宅訪問で薬剤師は何をしているの?

薬をただ届けるだけではなく、薬の飲み方や効果などの説明や指導、副作用はないか、飲み合わせはどうか、市販薬や複数の医療機関にかかった場合の重複薬の有無や飲み合わせについてなどを確認します。
その他に、飲み残し薬の数や服用状況、薬の保管状態などもチェックしています。

 

どんな患者さんが訪問してもらえるの?

薬剤師と患者さんのイラスト
誰でも薬剤師の在宅訪問を利用できるというわけではありません。
歩くことが出来ないなどといった来局が困難な方が対象です。
まず、患者さん、ご家族を含めて医師達が患者さん宅への訪問が必要かどうかを話し合います。
薬剤師の訪問が必要ということになると、医療機関から薬剤師訪問の依頼書が発行され、薬局に届けられます。
この訪問の依頼書が発行された方に対して訪問いたします。
また、訪問には患者さんやご家族の同意、契約書も必要です。

 

薬剤師訪問の際にかかる利用料金について

介護保険と医療保険で異なります。
介護保険を利用している場合は、薬代とは別に料金がかかり、ご自宅の場合は1 回500 円、グループホームなど他にも訪問指導する方が一緒に居住している施設の場合は1回350円の居宅療養管理指導料が必要となります。
また、医療用の麻薬など特別な薬が処方されていれば追加で料金がかかることもあります。
医療保険での利用は40歳未満の方や介護認定を受けていない方が対象です。
詳細は薬局等にお問合せください。(2013年10月現在)


薬剤師が在宅訪問する利点は?
・薬についての説明を自宅で落ち着いて聞くことで薬に対する不安を解消できます。
・薬局へ来る事が出来なかった本人と家族が一緒に薬の効果や副作用の注意点などの説明を受けられます。
・服薬状況、体調や薬の効果・副作用症状を把握してもらいやすくなり、より安心して治療をうけられます。
・調剤方法などの変更や服薬方法の工夫についてのアドバイスをしてもらえます。薬剤師から医師へ処方変更などの提案をすることもあります。
・タ医師や看護師、ケアマネージャー等、他の医療スタッフと情報を共有し、医療・介護の連携が行われることで、より安心して在宅生活を送ることができます。

※薬剤師の在宅訪問は、薬局によって対応や詳細が異なります。詳しく知りたい場合には、かかりつけの薬局へ直接お問合せください。


苫小牧ひまわり薬局(薬剤師  澄川 大樹)

(薬剤師  本間 志菜)