熱中症
特集 No.133 2014年7月発行
熱中症とは熱い環境で生じる健康障害の総称で、様々な症状が起こります。 次の表のように、4つに分けられます。 熱中症の発生は気象状況に左右されるものの、近年、熱中症による救急搬送と死亡数は増加傾向にあります。 |
■ 症状と対処法
熱中症が起きてしまった時には、適切に応急処置をする必要があります。 |
■ 熱中症を起こしやすい環境
高温、多湿、無風であるほど起きやすくなります。 |
■ 特に注意したい高齢者と乳幼児
高齢者の熱中症![]() 特徴として、室内で多く発生しています。 部屋の温度が上がらないようエアコンや扇風機などを活用しましょう。 こまめに温度・湿度のチェックをしましょう。 また暑さやのどの渇きを感じにくいので、定期的に水分補給をしましょう。 運動する際は、よりいっそう注意しましょう。 乳幼児の熱中症 乳児や幼児は、大人より新陳代謝が活発で体温が高いのが特徴です。 汗腺の発達が未熟なため、うまく体温調節をすることができません。 炎天下の車の中など体温よりも周囲の温度が高くなる場所では、短時間で体温が上昇します。 晴れた日は地面に近いほど気温が高くなります。 ベビーカーに乗せて外出するときは、様子を見ながら十分気を付けましょう。 例えば…気温が32℃のとき地面から50cmの高さでは35℃、5cm の高さでは36℃以上 |
水分を取るときに、なぜ塩分も取らないといけないのでしょうか?
水分を取るときに、なぜ塩分も取らないといけないのでしょうか?
身体には、約0.9%の塩分(ナトリウム)を含んだ血液が循環しており、汗にはナトリウムが含まれています。
多量に汗をかいてナトリウムが失われた時、
水だけを飲むと血液のナトリウム濃度が薄まり、熱中症の原因となります。
脱水時は、水分とともに適量の塩分を取ることが重要です。
熱中症予防の水分補給としては、0.1~0.2%の食塩と糖質を含んだ飲料が勧められています。
スポーツドリンクなどを利用するとよいでしょう。
※塩分や水分、糖分の摂取が制限されている場合は、医師に相談しておきましょう。
(薬剤師 宮本 牧子)