ノロウイルス~家庭でできる予防と消毒法
食中毒や感染症を予防する場合に最も重要なのは手洗い・うがいです。![]() 石けんを用いて10秒間のもみ洗いと、15秒間の流水でのすすぎを2回繰り返すと、手に残存するウイルスや細菌は0.0001%まで減らすことができます。 トイレの後、便・嘔吐物の処理の後、外出後、食事の前、口に手を持っていく前には必ず手を洗いましょう。 ノロウイルスに有効な消毒剤は次亜塩素酸ナトリウム(ハイター、ブリーチなど)です。 塩素系漂白剤として市販されています。酸素系漂白剤(ワイドハイター、ブライトなど)では効果がないので注意が必要です。 |
ノロウイルスによる食中毒を予防するための次亜塩素酸の使い方
市販の塩素系漂白剤の原液の濃度には、1%~12%程度のものがあります。 |
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(注)●家庭用塩素系漂白剤のキャップの容量は通常20ml~25ml です。 |
1. 排泄、嘔吐の片づけ
次亜塩素酸は嘔吐物などの有機物との反応により効果が弱まるので、有機物が存在する場所を消毒する場合は濃度を高くするなどの調節が必要となります。 ※まな板等のキッチン周りの道具に対しては熱湯による消毒の効果が高く、80℃の熱湯に10分間浸すと一部の細菌以外は死滅もしくは活動できなくなります。次亜塩素酸は熱湯による消毒が行えないドアノブや日用品の消毒、汚染場所の処理を行う時に有効です。 |
2. 汚れ物の洗濯
可能であれば廃棄処分が望ましいです。 |
※次亜塩素酸ナトリウムを使用する場合は、商品に記載してある使用方法をよく確認して使用するほか、特に次のことに注意してください。 |
ノロウイルスに対して消毒用エタノールでは効果がないのでしょうか?
ノロウイルスに対して消毒用エタノールでは効果がないのでしょうか?
ノロウイルスに対するエタノールの殺菌効果は弱く、また、すぐに揮発してしまうため長時間浸すことが難しいという問題があります。
そのため確実な殺菌効果を得るためには次亜塩素酸の方が適しています。
消毒用エタノールは一般細菌や結核菌、インフルエンザウイルス等に対して効果があります。
一般細菌に対しては15秒の接触で殺菌もしくは活動できなくするとされています。
インフルエンザウイルスに対しては1分ほどで効果を発揮します。
手指消毒に用いられることも多く、泡状やジェル状にして手にすりこみやすくする等の工夫がされています。
(薬剤師 橋向 李奈)