ノロウイルス~家庭でできる予防と消毒法

特集 No.135 2014年11月発行

食中毒や感染症を予防する場合に最も重要なのは手洗い・うがいです。
石けんを用いて10秒間のもみ洗いと、15秒間の流水でのすすぎを2回繰り返すと、手に残存するウイルスや細菌は0.0001%まで減らすことができます。
トイレの後、便・嘔吐物の処理の後、外出後、食事の前、口に手を持っていく前には必ず手を洗いましょう。
 
ノロウイルスに有効な消毒剤は次亜塩素酸ナトリウム(ハイター、ブリーチなど)です。
塩素系漂白剤として市販されています。酸素系漂白剤(ワイドハイター、ブライトなど)では効果がないので注意が必要です。

ノロウイルスによる食中毒を予防するための次亜塩素酸の使い方

市販の塩素系漂白剤の原液の濃度には、1%~12%程度のものがあります。
下の表は、1リットルの水に加えて作る場合に必要な原液(5%と10%の場合)の量です。
市販の製品によって濃度が違いますので、よく確認しましょう。下の表を参考にして消毒液を作って使用してください。
 
なお、市販されている家庭用塩素系漂白剤(ハイター、ブリーチなど)の濃度は、約5%です。10%の製品はピューラックス-10、ハイポライトM10などがあります。


(注)●家庭用塩素系漂白剤のキャップの容量は通常20ml~25ml です。
容器に書いてありますので、確認して使用してください。

 

1. 排泄、嘔吐の片づけ

次亜塩素酸は嘔吐物などの有機物との反応により効果が弱まるので、有機物が存在する場所を消毒する場合は濃度を高くするなどの調節が必要となります。
拭き取りにはトイレットペーパーで拭き取ってトイレに流すか、ペーパータオルや使い捨ての雑巾を使い、周りに触れないようにビニール袋などで密閉して燃えるごみに捨ててください。バケツで雑巾を洗うことはやめましょう。
拭き取った後は0.1%に薄めた消毒液でまんべんなく拭き取り、後で水拭きをします。

※まな板等のキッチン周りの道具に対しては熱湯による消毒の効果が高く、80℃の熱湯に10分間浸すと一部の細菌以外は死滅もしくは活動できなくなります。次亜塩素酸は熱湯による消毒が行えないドアノブや日用品の消毒、汚染場所の処理を行う時に有効です。

2. 汚れ物の洗濯

可能であれば廃棄処分が望ましいです。
不可能な場合、便や嘔吐物で汚れたものは他と分けて洗濯します。
洗濯機で10分以上の洗濯洗剤による本洗いと8分以上の流水すすぎをします。
汚れを十分に落とした後は0.02%に薄めた消毒液に30分間つけ置きします。
つけ置き後はすすぎ、乾燥してください。

※次亜塩素酸ナトリウムを使用する場合は、商品に記載してある使用方法をよく確認して使用するほか、特に次のことに注意してください。
●皮膚に対する刺激が強いため、手洗いなど人に対しては使用しないでください。
●使用するときは、消毒液が直接皮膚に触れないようになるべく使い捨ての樹脂製(ビニールなど)の手袋を使用してください。
消毒液が皮膚や衣服についた場合は、直ちに水で洗い流してください。
●使用するときは、換気を十分に行ってください。
●他の洗剤と混ぜると危険な場合があります。特に酸性の洗剤と混ぜると有毒ガスが発生しますので注意してください。
●金属に対しては腐食性があるため原則使用しませんが、使用した場合はその後にしっかりと水で洗い流すかふき取ってください。
●薄めた消毒液は時間が経つにつれて効果がなくなりますので、使うときに原液を希釈して必要な量だけ作り、作り置きをしないでください。
●塩素は日光によって容易に分解するので、原液は直射日光の当


ノロウイルスに対して消毒用エタノールでは効果がないのでしょうか?

ノロウイルスに対するエタノールの殺菌効果は弱く、また、すぐに揮発してしまうため長時間浸すことが難しいという問題があります。

そのため確実な殺菌効果を得るためには次亜塩素酸の方が適しています。
消毒用エタノールは一般細菌や結核菌、インフルエンザウイルス等に対して効果があります。
一般細菌に対しては15秒の接触で殺菌もしくは活動できなくするとされています。
インフルエンザウイルスに対しては1分ほどで効果を発揮します。

手指消毒に用いられることも多く、泡状やジェル状にして手にすりこみやすくする等の工夫がされています。

(薬剤師 橋向 李奈)