血液検査値について

特集 No.142 2016年4月発行

誰でも1度は血液検査を受けたことがあると思います。病院から検査結果をもらったのはいいけれど、「略称と数値が並び、何を示しているのかわからない」ということはないでしょうか。
今回は、その血液検査値についていくつかお話したいと思います。


脂質

エネルギー源や体を作る原料として重要ですが、血管内に溜まると動脈硬化の原因となり、心疾患や脳梗塞といった病気を引き起こします。


TCHO(総コレステロール)基準値:150~219mg/dl

血液中のコレステロールの総量。高値になると動脈硬化の原因となります。


TG(中性脂肪)基準値:50~149mg/dl

高値になると動脈硬化や膵炎の原因となります。食事の影響を受け、食後の検査では高くなります。


LDL(悪玉コレステロール)基準値:70~139mg/dl

血管壁に溜まり、動脈硬化を起こしやすくします。高値になると心疾患、脳梗塞、糖尿病などが起こりやすくなります。


HDL(善玉コレステロール)基準値:40~95mg/dl

血液中の余分なコレステロールを回収して肝臓へ運びます。そのため、これが低くなると、動脈硬化が起こりやすくなります。動脈硬化を防ぐことから、善玉コレステロールと呼ばれます。


血糖

血液中のブドウ糖はエネルギー源となりますが、高血糖が続くと糖血糖 尿病となり、神経や腎臓、目などに障害を引き起こします。


GLU(血糖)基準値:70~109mg/dl

血液中のブドウ糖の量です。食事の影響をうけるため、一般的には空腹時に検査をします。


HbA1c-N(ヘモグロビンエーワンシー)基準値:4.6~6.2%

血糖コントロールの指標。ここ1~2か月間の血糖の状態がわかります。以前は日本で使われてきた値のHbA1c-Jで示されていましたが、現在は国際基準のHbA1c-N で示しています。


尿糖 基準値:陰性

 血液中のブドウ糖が一定以上になると、尿にも糖が出てきます。陽性の場合は糖尿病が疑われます。


肝臓

肝臓や胆道の状態をみることができます。肝臓病以外にも薬やアル肝臓 コールの影響で高くなることもあります。


GOT(AST)基準値:10~40U/L、GPT(ALT)基準値:5~40U/L

代表的な肝機能の指標です。肝臓の細胞が炎症を起こしたり壊れたりすると高くなります。GOT は心筋梗塞などの病気でも高くなります。


γ-GTP 基準値:70以下

肝臓や胆道、膵臓の病気があると高くなります。アルコールの飲みすぎや、薬の影響(薬剤性肝障害)で高くなることもあります。


腎臓

腎臓から排泄される老廃物が体に残った量を調べることによって腎臓の機能をみます。腎臓病のほか、高齢になると腎機能が低下してきます。


S-CR(血清クレアチニン)基準値:0.47~1.04mg/dl

腎臓から排泄される老廃物で、体内に残った量を調べることによって腎臓の状態をみます。腎機能が低下すると値は高くなります。


e-GFR(推定糸球体ろ過量)基準値:60mL/min/1.73㎡

クレアチニン値から計算された腎機能の指標です。腎機能が低下すると値は低下します。


尿たんぱく 基準値:陰性

腎臓や膀胱、尿道の病気があると、尿中に排泄される蛋白の量が増えて陽性になります。また、激しい運動の後や発熱時にも一時的に陽性になる場合があります。


UA(尿酸)基準値:2.5~7.0mg/dl

高くなると痛風発作や腎臓病などが起こりやすくなります。また、動脈硬化も起こりやすくなるため、心臓病や脳梗塞の原因にもなります。


基準値から外れた場合は、受診をして医師に相談しましょう。もらった検査結果は保管しておき、過去の検査結果と比較してみましょう。前回より良くなったところや悪くなったところがある場合は、日常生活で思い当たることがないか考えてみるとよいですね。生活を見直すチャンスとなるかもしれませんよ。

基準値とは何ですか?また、基準値から?

基準値とは正常な人の95%が当てはまる範囲の値で、医療機関によって若干異なります。血液検査の結果は、年齢や性別、食事、運動、などの条件で変わります。そのため、基準値から外れた場合は必ず病気であるということではありませんが、病気が隠れている場合もあるので、受診して医師に相談するようにしましょう。

(薬剤師 木下 育絵)