アルコールの話

特集 No.144 2016年5月発行

北海道の5月といえば新緑と共に桜や梅がいっせいに開花するお花見の季節です。お花見といえばアルコールを思い浮かべる方も多いと思います。今回は、アルコールについてのお話です。


ビールを飲んでほろ酔いの人のイラストアルコールに対して、どんなイメージを持っているでしょうか? 少量なら体にいい、疲労やストレスの解消になる、人間関係の維持に必要、肝臓に悪い…など、色々思い浮かぶと思います。

 

アルコールは体内に入ると、アセトアルデヒド、酢酸を経て最終的に水と炭酸ガスに分解されます。アルコールを分解する速さには個人差があり、速く分解できる人ほど酔わない、お酒に強いと言えます。アルコールが最初に分解されて生じるアセトアルデヒドは、顔面紅潮、頭痛、吐き気、頻脈など、いわゆる悪酔いと呼ばれる症状を引き起こします。二日酔いはアセトアルデヒドが血液の中に残っているために起こります。アセトアルデヒドの代謝は人種によって差があり、日本人は半数近くが分解に時間がかかる「酔いやすいタイプ」です。

 

アルコールは、中枢神経系つまり脳のコントロールを麻痺させる働きがあります。少量であれば緊張が取れリラックスして楽しめますが、大量摂取時には運動機能が障害され、意識が混濁、ついには心肺機能まで麻痺させて命に関わります(これを急性アルコール中毒といいます)。

 

またアルコールには依存性があります。耐性・精神依存・身体依存を形成し、飲酒のコントロールができなくなる状態をアルコール依存症といい、身体、家庭、仕事などに様々な影響が出ます。

 

他にも、アルコールによる健康障害をいくつか紹介します。




アルコール血中濃度と酔いの状態

 

・適量とは男性でビール瓶1 本または日本酒1合くらいで、女性はこれより少ない量が推奨されています。生理機能が低下している高齢者や、顔が赤くなりやすい人も少なめにしましょう。
・週に2日は休肝日を作るといいでしょう。依存症の予防にもなります。
・一度にたくさん飲むと急性アルコール中毒の危険があります。ゆっくり楽しみましょう。
・飲みすぎによる健康障害が出ていないか、健康診断で定期的にチェックしましょう。皆さんも飲み方を見直して、お酒を楽しみましょう。

(薬剤師 澤谷真希)

北海道の5月といえば新緑と共に桜や梅がいっせいに開花するお花見の季節です。お花見といえばアルコールを思い浮かべる方も多いと思います。今回は、アルコールについてのお話です。

 

ビールを飲んでほろ酔いの人のイラストアルコールに対して、どんなイメージを持っているでしょうか?少量なら体にいい、疲労やストレスの解消になる、人間関係の維持に必要、肝臓に悪い…など、色々思い浮かぶと思います。

 

アルコールは体内に入ると、アセトアルデヒド、酢酸を経て最終的に水と炭酸ガスに分解されます。アルコールを分解する速さには個人差があり、速く分解できる人ほど酔わない、お酒に強いと言えます。アルコールが最初に分解されて生じるアセトアルデヒドは、顔面紅潮、頭痛、吐き気、頻脈など、いわゆる悪酔いと呼ばれる症状を引き起こします。二日酔いはアセトアルデヒドが血液の中に残っているために起こります。アセトアルデヒドの代謝は人種によって差があり、日本人は半数近くが分解に時間がかかる「酔いやすいタイプ」です。

 

アルコールは、中枢神経系つまり脳のコントロールを麻痺させる働きがあります。少量であれば緊張が取れリラックスして楽しめますが、大量摂取時には運動機能が障害され、意識が混濁、ついには心肺機能まで麻痺させて命に関わります(これを急性アルコール中毒といいます)。

 

またアルコールには依存性があります。耐性・精神依存・身体依存を形成し、飲酒のコントロールができなくなる状態をアルコール依存症といい、身体、家庭、仕事などに様々な影響が出ます。

 

他にも、アルコールによる健康障害をいくつか紹介します。

肝臓

飲みすぎにより脂肪の合成が増加し、脂肪肝になります。さらに飲酒を続けるとアルコール性肝炎や、肝硬変になることもあります。
循環器

適量の飲酒は虚血性心疾患の予防になると言われています。これは血液をさらさらにする効果と、善玉コレステロールを増やす効果があるためです。しかし、過度の飲酒は高血圧や不整脈を引き起こす場合があります。

 

精神

アルコールは脳の中の様々な伝達物質に影響を与えます。アルコール依存症とうつ病は合併の頻度が高く、また大量に飲酒したりアルコールを乱用した経験のある人は、脳萎縮が高い割合で見られ認知症になることが多いという調査結果もあります。

睡眠

アルコールは睡眠薬代わりになるような気がしますが、眠りを浅くして睡眠の質を下げます。また、睡眠薬とアルコールは脳の抑制作用を互いに強めあってしまうので一緒に飲んではいけません。転倒などの事故、呼吸障害、一時的な記憶障害などの危険があります。

糖代謝

飲酒によりインスリンの分泌が刺激されるので、適量であれば血糖値が下がります。しかし大量に飲酒をするとインスリンが効きにくくなってきます。また糖尿病がある人は低血糖が起こりやすくなるため、空腹時に飲酒をしないなどの注意が必要です。


 

アルコール血中濃度と酔いの状態 

 血中濃度目安となる酒量酔いの状態
爽快期0.02~0.04mg/dl

ビール中びん(~1本)

日本酒(~1合)

ウイスキー・シングル(~2杯)

皮膚が赤くなる

陽気になる

判断力が少しにぶる

ホロ酔い期0.05~0.10mg/dl

ビール中びん(1~2本)

日本酒(1~2合)

ウイスキー・シングル(3杯)

手の動きが活発になる

理性が失われる

体温が上がり、脈が速くなる

酩酊初期0.11~0.15mg/dl

ビール中びん(3本)

日本酒(3合)

ウイスキーダブル(3杯)

気が大きくなる

怒りっぽくなる

立てばふらつく

酩酊期0.16~0.30mg/dl

ビール中びん(4~6本)

日本酒(4~6合)

ウイスキーダブル(5杯)

千鳥足になる

何度も同じことをしゃべる

呼吸が速くなる

吐き気・おう吐がおこる

泥酔期0.31~0.40mg/dl

ビール中びん(7~10本)

日本酒(7合~1升)

ウイスキーボトル(1本)

まともに立てない

意識がはっきりしない

言語がめちゃくちゃになる

昏睡期0.41~0.50mg/dl

ビール中びん(10本以上)

日本酒(1升以上)

ウイスキーボトル(1本以上)

揺り動かしても起きない

呼吸はゆっくりと深い

死亡

 

  • 適量とは男性でビール瓶1本または日本酒1合くらいで、女性はこれより少ない量が推奨されています。生理機能が低下している高齢者や、顔が赤くなりやすい人も少なめにしましょう。
  • 週に2日は休肝日を作るといいでしょう。依存症の予防にもなります。
  • 一度にたくさん飲むと急性アルコール中毒の危険があります。ゆっくり楽しみましょう。
  • 飲みすぎによる健康障害が出ていないか、健康診断で定期的にチェックしましょう。皆さんも飲み方を見直して、お酒を楽しみましょう。

(薬剤師 澤谷 真希)

「酒は百薬の長」とよく聞きますが、本当ですか?

「酒は百薬の長」の後には実は続きがあります。「酒は百薬の長、されど万病の元」です。
なぜ後半が略されて言われることが多いのかはご想像にお任せしますが、なにごともほどほどにと言うことですね。


(薬剤師 村中 浩子)