8月24日は薬害根絶デー

特集 No.145 2016年8月発行

薬害根絶は私たちの願いです


誓いの碑

 1999年8月24日、厚生労働省は、サリドマイド・スモン・薬害エイズなど悲惨な薬害の発生を反省し、 薬害根絶のために最善の努力を重ねていくことを国民に対して誓う決意のもと、厚生労働省の敷地内に「誓いの碑」を建立しました。
この「誓いの碑」を薬害根絶のシンボルとして、国や製薬企業が国民一人ひとりの命を大切にしているか、患者の人権を尊重しているか、医薬品の危険性に注意を払い適切な対策をとっているかなど、絶えず厳しい監視の目を向けていくことが、私たち国民の重要な役割です。
毎年、8月24日を「薬害根絶デー」と位置づけ、全国各地で薬害根絶のための取り組みが行われています。
(2016年の薬害根絶デーin札幌集会は8月20日です。)



「薬害」とは


医薬品は有効性と同時に副作用も併せ持っています。日常の治療の中で残念ながら副作用が起こることもありますが、それは「薬害」とは定義されません。「薬害」とは、①重大な副作用が起こることを知りながら、製薬企業が利益追求のために販売を続けた。
②危険性を察知した厚労省が早期に販売の中止を指示しなかった等によって、副作用被害者が大量に発生するといった、 いわば「人的な被害」によるものです。それゆえ、「薬害」はなくさなければならないのです。



日本で発生した主な薬害について

1961年:サリドマイド
睡眠薬を妊娠中に服用し、手足や耳に奇形をもったこどもが生まれた。被害児は世界で数千人。日本約千人。日本では、レンツ博士の警告後、9カ月間も販売を継続。

1970年:スモン
下肢の麻痺や視力障害などの末梢神経障害が多発。70年に殺菌剤キノホルムが原因と判明。被害者約12,000人。1935年には副作用の警告があったのに、整腸剤として大量。

1983年:薬害エイズ
エイズウイルスにより汚染された血液凝固因子製剤により血友病患者約1800人がHIVに感染した。アメリカでは安全な加熱製剤が83年に実用化。日本では85年まで危険な製剤が使用された。

1988年:陣痛促進剤
陣痛促進剤により、母子の死亡や重大な障害を残す被害が続いた。医療機関に対する危険性情報の伝達不十分が原因。

1996年:薬害ヤコブ
脳外科手術に使用したドイツ製ヒト乾燥硬膜がプリオンで汚染。100名以上がヤコブ病を発症し、植物状態の後に死亡。アメリカでは87年に輸入を禁止したが日本での使用禁止は10年遅れの 97年。

2002年:薬害肝炎
C型肝炎ウイルスに汚染された血液凝固因子製剤を投与されたことで、少なくとも1万人以上が感染。被害者が全国5地裁で提訴。2008年に国・製薬企業と基本合意。

2002年:イレッサ
肺がん治療薬。「副作用の少ない夢の新薬」という宣伝で発売されたが直後から副作用とみられる死亡例が続出した。医薬品の承認制度、宣伝広告のあり方を問う裁判が行われた。

2006年:タミフル
インフルエンザの治療薬として服用した後、突然窓から飛び降りるなどの異常行動の報告が続いた。2007年より、10代の子どもには原則として使用しないこととなった。

2013年:子宮頚がんワクチン
2013年4月に定期接種化されたが、接種後の重篤な副反応が疑われる報告が相次いだことから、6月以降積極的な接種勧奨が差し控えられている。

 

(薬剤師 野村  充代)

医薬品副作用被害救済制度について教えてください。

医薬品は、正しく使っていても副作用の発生を防げない場合があります。そこで、医薬品を適正に使用したにもかかわらず、その副作用により入院治療が必要になるほどの重篤な健康被害が生じた場合に、医療費や年金などの給付を行う公的な制度が「医薬品副作用被害救済制度」です。この救済制度は、サリドマイド、スモン、薬害エイズ、薬害肝炎などの被害者の運動の積み重ねによって作られ、独立行政法人「医薬品医療機器総合機構」(PMDA)が業務を担当しています。
給付を受けるには、         発現した症状及び経過と、その原因とみられる医薬品との因果関係を確認するための診断書、受診証明書、投薬証明書といった書類を添えて請求を行い、審査を受ける必要があります。なお、一部の医薬品は給付対象とならない場合もあります。
薬の影響で重篤な健康被害に遭った時は、救済の対象になるかならないか、まずは主治医や薬剤師に、詳しいことはPMDAに相談してみてください。

 

  • 医薬品医療機器総合機構(PMDA)の相談窓口 TEL:0120‐149‐931


(保健企画本部 中川  喜秀)