喘息と吸入薬について

特集 No.146 2016年9月発行


喘息とは、空気の通り道である気道の慢性的な炎症によって気管支が狭くなり、刺激に敏感になっている状態を言います。 喘息の方の気道は咳などの症状がない時も炎症が起きており、健康な人よりも狭くなっています。そこにアレルゲン(アレルギーの原因となる物質) や冷たい空気などの刺激が加わると気道のまわりの筋肉が収縮し、さらに狭くなって息苦しさや咳、「ゼイゼイ・ヒューヒュー」というぜん鳴があらわれます。

これを喘息発作と言います。喘息発作を引き起こす原因はダニ・ホコリ・動物の毛などのアレルゲン、タバコの煙、感染症、季節や天気の変化、ストレスなど様々です。また、痛み止めや湿布などの薬が原因となる場合もあります。


一般的に喘息の治療は、発作をしずめる薬と予防する薬を組み合わせて行います。薬には内服薬、吸入薬、貼り薬があります。抗炎症作用のある吸入ステロイド薬を基本とし、症状に合わせて気管支を拡げる作用のある薬やアレルギー反応を抑える薬も使用します。また、ステロイド薬と長時間効果が持続する気管支拡張薬を配合した吸入薬もよく使われています。今回は吸入薬について紹介します。



吸入ステロイド薬

気道の炎症を直接抑え、主に発作を予防する目的で使われます。ステロイド薬というと副作用を心配する人もいますが、量としては内服薬よりも少なくなっているので安全に使用することができます。 ただし、口の中に薬が残ってしまうと口腔カンジダ症や声のかすれの原因となるので吸入後は必ずうがいをしてください。


気管支拡張薬
交感神経を刺激して気管支を拡げます。副作用として動悸や手足のふるえなどに注意が必要です。また、気管支が収縮するのを防ぐ抗コリン薬と呼ばれる薬も使われています。

吸入薬によって霧状の薬を吸うエアゾール式のものと粉状の薬を吸うドライパウダー式のものがあり、それぞれ次のような特徴を持っています。


    


    


喘息の治療では発作が起きた時にしずめる事はもちろん大切ですが、気道の慢性的な炎症を抑え発作が起きないよう予防する治療がより重要です。 気道の炎症をそのままにしておくと粘膜が刺激に対して過敏な状態が続き、発作を繰り返しやすくなります。

そうすると次第に気道の粘膜と周辺の筋肉は厚く硬くなっていき、さらに治りにくくなるという悪循環になってしまいます。 症状が良くなったからといって自己判断で中止したりせず、薬をきちんと続ける事が大切です。


(薬剤師 高田 悠希)


喘息とは、空気の通り道である気道の慢性的な炎症によって気管支が狭くなり、刺激に敏感になっている状態を言います。 喘息の方の気道は咳などの症状がない時も炎症が起きており、健康な人よりも狭くなっています。そこにアレルゲン(アレルギーの原因となる物質) や冷たい空気などの刺激が加わると気道のまわりの筋肉が収縮し、さらに狭くなって息苦しさや咳、「ゼイゼイ・ヒューヒュー」というぜん鳴があらわれます。

これを喘息発作と言います。喘息発作を引き起こす原因はダニ・ホコリ・動物の毛などのアレルゲン、タバコの煙、感染症、季節や天気の変化、ストレスなど様々です。また、痛み止めや湿布などの薬が原因となる場合もあります。

 

一般的に喘息の治療は、発作をしずめる薬と予防する薬を組み合わせて行います。薬には内服薬、吸入薬、貼り薬があります。抗炎症作用のある吸入ステロイド薬を基本とし、症状に合わせて気管支を拡げる作用のある薬やアレルギー反応を抑える薬も使用します。また、ステロイド薬と長時間効果が持続する気管支拡張薬を配合した吸入薬もよく使われています。今回は吸入薬について紹介します。


吸入ステロイド薬

気道の炎症を直接抑え、主に発作を予防する目的で使われます。ステロイド薬というと副作用を心配する人もいますが、量としては内服薬よりも少なくなっているので安全に使用することができます。 ただし、口の中に薬が残ってしまうと口腔カンジダ症や声のかすれの原因となるので吸入後は必ずうがいをしてください。

 

気管支拡張薬
交感神経を刺激して気管支を拡げます。副作用として動悸や手足のふるえなどに注意が必要です。また、気管支が収縮するのを防ぐ抗コリン薬と呼ばれる薬も使われています。

 


吸入薬によって霧状の薬を吸うエアゾール式のものと粉状の薬を吸うドライパウダー式のものがあり、それぞれ次のような特徴を持っています。

エアゾール式

息を吸い込むタイミングに合わせて吸入容器のボタンを押し、ゆっくりと吸い込みます。吸入と息を吸うタイミングを合わせるのが難しい場合は、スペーサーと呼ばれる器具(一部有料)を使用すれば患者さんの呼吸に合わせた吸入もできます。
ドライパウダー式

吸入容器の口をくわえ、強く勢いよく吸い込みます。エアゾール式とは異なり、吸入と呼吸のタイミングを合わせる必要がありません。
ただし、患者さんの吸う力が弱いと十分な効果が得られないことがあります。

 


代表的な吸入薬についてまとめました。(薬局によって取り扱っていない薬品もあります)

 ステロイド薬気管支拡張薬吸入回数特徴
サルタノール×発作時エアゾール式
セレベント×1日2回エアゾール式
メプチン×発作時ドライパウダー式
オルベスコ×1日1~2回

エアゾール式

バルミコート×1日2回ドライパウダー式
フルタイド×1日2回

ドライパウダー式

エアゾール式

アドエア1日2回

ドライパウダー式

エアゾール式

シムビコート1日2回

ドライパウダー式

医師の指導のもと、発作時に追加で吸入を行うことができます。

フルティフォーム1日2回エアゾール式
レルベア1日1回ドライパウダー式

 

喘息の治療では発作が起きた時にしずめる事はもちろん大切ですが、気道の慢性的な炎症を抑え発作が起きないよう予防する治療がより重要です。 気道の炎症をそのままにしておくと粘膜が刺激に対して過敏な状態が続き、発作を繰り返しやすくなります。

そうすると次第に気道の粘膜と周辺の筋肉は厚く硬くなっていき、さらに治りにくくなるという悪循環になってしまいます。 症状が良くなったからといって自己判断で中止したりせず、薬をきちんと続ける事が大切です。

 

喘息発作予防のために日常生活の中でどのような事に気をつけたら良いでしょうか?

まずは薬を指示通り続けることが大切です。
また、冷たい空気は喘息発作の原因となることがあります。これからの季節はマスクをつけて冷たい空気から喉を守りましょう。かぜ、インフルエンザなどの感染症は発作のきっかけとなる事もあるので、手洗いや予防接種などで予防しましょう。生活習慣を整える事も大切です。ストレスや疲労は体のバランスを保つ自律神経の乱れにつながります。十分な睡眠・休息をとるよう心がけてください。またアレルゲンが喘息の主な原因の方はアレルゲンを避けるようにしましょう。屋内ではこまめな掃除と換気も効果的です。

(薬剤師 高田 悠希)