痛風・高尿酸血症について

特集 No.149 2017年3月発行


痛風とは、血液中の「尿酸」という物質が過剰になり、関節内にその結晶が析出し、強い炎症が引き起こされ、激しい痛みがおこる病気です。「風があたっても痛い」といわれるほど関節に激しい痛みを起こす病気として知られています。
また、血液中の「尿酸」が過剰になっている状態が、「高尿酸血症」といわれる全身の病気で、ライフスタイルが大きく影響する生活習慣病のひとつです。


尿酸が増える原因は

尿酸の原料になるのは「プリン体」と呼ばれる物質です。プリン体は、体内で作られたり、食事として体の内に入ってきます。その一方で、尿や便から体の外に排泄されています。
普通は、このバランスがとれているため一定の尿酸値に保たれていますが、作られる尿酸が多すぎたり、排泄される尿酸が少なくなると、体内の尿酸が増え血液中の尿酸値が高くなります。薬によっては尿酸値を上げるものもあります。

どのような人がなりやすいか


痛風の患者さんには次のようなタイプが多いです。

  • 男性
  • 肥満
  • お酒をよく飲
  • ストレスが多い
  • 腎臓の機能が低下している

高尿酸血症改善のポイント

何より大切なのは、食事のエネルギー量が過剰にならないことです。バランスのとれた食事を適量、ゆっくり食べるようにしましょう。
痛風予防の食事というとプリン体の多い食品を避けるものと考えがちですが、食事からの影響より体内での産生や排泄の影響の方が大きいことがわかってきています。しかし、プリン体が特に多く含まれる食品(次頁食品例参照)を、連続して大量に食べることは避けましょう。
野菜や海藻類はビタミン・ミネラル・食物繊維が豊富でしかも低エネルギーでお勧めです。また、尿をアルカリ性に傾ける性質があり、体内の尿酸が尿に溶けやすくなるため、尿酸が排泄されやすくなります。



水分をしっかりとって尿の量を増やすことで、尿酸の排泄が促進されます。また、尿が薄くなるので尿路結石も予防できます。1日、体重(kg)×30mlが目安といわれています。

アルコールには肝臓での尿酸産生を亢進させ、腎臓からの排泄を低下させる作用があります。どんな種類のアルコール飲料でも大量に飲むのは好ましくありません。特にビールにはプリン体がたくさん含まれており要注意です。

激しい運動はかえって尿酸値をあげてしまうことがあるので注意しましょう。

ストレスがかかると尿酸値は上がり、痛風発作も起こりやすくなります。のんびりゆっくり型のストレス対策が有効です。くれぐれも食事や飲酒でストレスを発散させないように。


高尿酸血症の治療に使われる薬

高尿酸血症を放置しておくと

全身にさまざまな合併症(脳血管障害、心疾患、腎障害、尿路結石など)が起きます。合併症は、発作が起きないうちにもじわじわ進行していきます。

「尿酸値が高い」といわれたことのある人は、早めに生活習慣の改善に取り組みましょう。


(薬剤師 川口  敬秋)

OD 錠ってどんな薬?

OD 錠とは、「口腔内崩壊錠~Oral Dispersing Tablet」の略名で、「ラムネ菓子」をヒントに開発され、唾液や少量の水で溶ける、水なしで飲める錠剤のことです。主に、薬品名の末尾に「~OD」や「~D」などの表記があるものが該当します。
 口の中で速やかに溶けるので、飲む場所を選ばず、少し大きめの錠剤でも飲みやすくなります。また、人工透析の方や、心臓や肺の病気で水分が制限されている方、夜中のトイレが心配で寝る前に水を飲みたくない方などの服薬の負担を減らしたり、飲み込みが難しい方にも適しています。もちろん、水で飲むこともできます。
 一方で、口の中に残る、味が苦手、普通の薬と一緒に飲む場合には水などで飲まなければならないということもあります。
 色々な薬がありますので、気になることがあれば医師・薬剤師にご相談ください。

(薬剤師 平岩 哲朗)