緑内障ってどんな病気?

特集 No.153 2017年11月発行

何らかの原因で視神経障害が起こり、視野(見える範囲)が狭くなる病気です。
原因の一つに眼圧の上昇がありますが、日本では、眼圧が正常にもかかわらず、緑内障を発症する「正常眼圧緑内障」が最も多く、緑内障の7割を占めています。
40歳以上の日本人の20人に1人が緑内障と推定されていますが、緑内障の進行はゆっくりであることが多く、また両方の目の症状が同時に進行することは稀なので、病気がかなり進行するまで自覚症状はほとんどありません。
一度欠けた視野は元には戻らないので、検査による早期発見と治療の継続が重要です。


眼圧とは

眼圧は眼の中の水(房水)の量によって決まります。房水は、毛様体というところで常に作られており、 隅角という部分から、フィルターにあたる線維柱帯、排水管となるシュレム管を通って眼の外に出ていきます。
この房水の流れが何らかの原因で悪くなり房水が眼球の中にたまると、眼圧が高くなります。



緑内障の種類

緑内障の種類を大きく分けると、①原因がはっきり分からない原発緑内障、②他の病気に引き続いて起こる続発緑内障、③隅角の先天的な異常のため起こる発達緑内障の 3つがあります。一般的に緑内障と呼ばれているのは、①の原発緑内障のことです。原発緑内障は、さらに 2つの種類に分けられます。

原発開放隅角緑内障(げんぱつかいほううんかく)

隅角は開いているが、線維柱帯とその奥にあるシュレム管と呼ばれる場所が徐々に目詰まりを起こし、うまく房水が流出されないために眼圧が上昇します。男女を問わず 40歳以上に多く、進行が遅いため気づかない人がほとんどです。正常眼圧緑内障は、この種類になります。

原発閉塞隅角緑内障(げんぱつへいそくぐうかく)

隅角が狭いため、塞がりやすく、そのために眼圧が上昇して緑内障を起こします。
60歳以上の女性や遠視の方に多く、急性の発作は眼痛、頭痛、吐き気などを起こすことがあり危険です。病態によっては飲めない薬がありますので、医師に確認をしておきましょう。


治療法

(1)薬物治療

①房水の排出を良くする薬、②房水が作られるのを抑える薬、③両方の作用を持つ薬に分けられます。
主に点眼薬を使用し、緑内障の種類・重症度・眼圧の高さなどに応じて処方されます。
1種類の目薬だけで効果が少ないと判断された場合は、複数の目薬を組み合わせます。
副作用は、眼の痛み・かゆみ・充血など、眼局所の副作用がほとんどです。また、持病によっては使用できない目薬もあります。


※配合剤:①と②の成分のいずれかを組み合わせたもの

(2)外科的治療

レーザー治療や手術により、房水を流れやすくして眼圧を下げます。
点眼薬を使っても効果が不十分な場合に外科的治療を行います。
閉塞隅角緑内障では、手術が優先される場合もあります。


緑内障と診断されたら~日常生活で気をつけること

●定期的に眼科を受診し、検査をうけましょう。
 点眼薬の効果と緑内障の進行具合をみるために定期検査は大切です。
●治療のための目薬は、回数・量を守って使用しましょう。
 多く使っても効果に変わりはなく、かえって副作用を起こしやすくなる可能性があります。医師の指示通り使用しましょう。また、自己判断で中止してはいけません。
●気になる症状があればすぐ医師に相談しましょう。
 治療のための目薬で、まぶたや粘膜の炎症等の目の異常や、時には咳や息切れ・動悸等全身性の副作用が現れることがあります。普段と異なる症状があれば、すぐに相談しましょう。
●他の病院にかかる時やかかりつけの薬局には、緑内障と診断されていることを必ず伝えてください。
 緑内障の種類や、使用している目薬によっては、飲み合わせが悪い薬があります。ご自身でも、自分の緑内障の種類や飲み合わせの悪い薬について、あらかじめ眼科医に確認し、お薬手帳に記載しておくと安心です。また、市販の薬を使用する時にも、医師や薬剤師に相談することをおすすめします。

 

(薬剤師 高田  亜希子)