潰瘍性大腸炎

特集 No.83 2006年発行

潰瘍性大腸炎(かいようせいだいちょうえん)とは?
 潰瘍性大腸炎は大腸の粘膜に潰瘍やただれができる病気で、難病として特定疾患に指定されています。かつては珍しい病気とされてきましたが、2002年には全国の患者数が7万人を超え、最近は毎年およそ5000人増加しています。若年者から高齢者まで発症する可能性がありますが、若年者の方が発症しやすいと言われています。
原因
 詳しい原因はいまだ不明です。現在では、細菌などの外敵から細胞を守るはずの免疫機能が自らの腸を攻撃してしまう免疫異常、食事の欧米化、腸内細菌の異常などの環境因子や遺伝的要素が複雑に絡み合って発症すると考えられています。
症状
 主な症状は血便、粘血便、下痢、腹痛などです。症状が重症化してくると1 日に10回以上も血便がでたり、微熱が続いたり、貧血、体重減少などといった症状も伴います。特に血便、下痢などの症状は良くなったり悪くなったりを繰り返し、治るまで長期間かかることもあります。また下痢、腹痛といったありふれた胃腸病の症状と似ていることもあり、発病を見過ごされて診断が遅れることがあります。
炎症の範囲による分類
全大腸炎型 炎症が大腸全体にある状態
左側大腸炎型 炎症が左側にある状態
直腸炎型 炎症が直腸のみにある状態

症状の経過による分類
再燃緩解型 よくなったり、悪くなったりを繰り返します
慢性持続型 長期間にわたり下痢、血便が続く状態
急性激症型 発症から急激に症状が悪化します
初回発作型 初回のみでその後再燃しない
治療
 食事療法、薬物療法が中心となりますが、なかなか治らない場合は手術することもあります。薬は重症度や病変の部位により1~数種類を組み合わせて使います。治療に使われる薬には次のようなものがあります。
薬物療法
  1. 5-ASA製剤(ペンタサ、スラマなど)
  潰瘍性大腸炎の治療薬として最も多く使われている薬です。飲み薬だけではなく坐薬もありますが、最近では肛門から直接薬液を投与することにより効果をより高める注腸液も使用されます。
  2. ステロイド剤(プレドニゾロン、リンデロンなど)
    炎症が強い時に使います。飲み薬のほかに坐薬、注腸液があります。ステロイドは効果が高いのですが、長期間使用する場合には副作用に注意が必要です。
  3. 免疫抑制剤
  ステロイドの減量が困難な場合や、大量投与でも効果がない時に使われます。
食事について
 腸に負担をかけず消化されやすく、高たんぱく、高カロリー、高ビタミンの食事をとるようにしましょう。腸の炎症が強い時は食物繊維、脂肪の多いもの、乳製品、香辛料、アルコール類などの刺激の強いものは避けましょう。また腸に比較的刺激を与えずに高カロリーを摂ることのできるエレンタール、エンテルードなどの成分栄養剤を使った栄養療法もあります。炎症がない時はあまり神経質にならず、バランスのよい食事をとり暴飲暴食は避けてください。
※病院によっては使用してない薬や、成分が同じでも名前が違う薬も掲載しておりますのでご注意ください。
  薬剤師 鹿田 幸毅

潰瘍性大腸炎で普段から気をつけることは?

 調子が良いからと勝手に薬をやめずにきちんと続ける他、食事にも気をつけ、ストレスを出来るだけためないように規則正しい生活のリズムを守ることが大切です。

※病院によっては使用してない薬や、成分が同じでも名前が違う薬も掲載しておりますのでご注意ください。
                                                薬剤師 鹿田 幸毅