骨粗鬆症

特集 No.92 2007年発行

骨粗鬆症とは
 骨の内部の構造が変化して骨の量が減少し、全身の骨が弱くなっていく病気です。骨粗鬆症で骨が弱くなると骨折が起こりやすくなります。特に太ももの付け根(大腿骨頚部)を骨折すると、それが原因で寝たきりになることもよくあります。

骨が作られる仕組み
 骨は体の中で絶えず作り変えられています。古い骨は壊され、新しい骨が作られています。しかし新しく作られる骨が、壊される骨の量よりも少なくなると骨がもろくなります。女性ホルモンのひとつ「エストロゲン」には骨代謝のバランスを調節する重要な役割があります。女性は閉経の頃から女性ホルモンの低下に伴い急激に骨量が減少します。健康な骨の内部はスポンジ状の構造になっていますが、これが粗くなりスカスカになると骨は弱くなります。
症  状
 初期には、自覚症状はほとんどありません。しかし、骨粗鬆症がすすみ背骨がつぶれたり、変形したりすると背中の痛みや腰痛が現れます。

診  断
 若年成人の骨量平均値(YAM)を100%とし、80%以上の人は健康、70%未満の人は骨粗鬆症と診断されます。
また70%以上80%未満で、骨が弱くなって骨折した場合も骨粗鬆症と診断されます。
治  療
 治療の中心は薬物療法です。治療薬にはさまざまな種類があります。自分に適した薬を処方してもらうことが大切です。
  <主な治療薬>
ビスホスホネート
製剤
ボナロン起床時服用骨量増加と骨折防止効果が高い。
ベネット
ダイドロネル3ヶ月毎に
14日間服用
塩酸ラロキシフェンエビスタ骨に対しては女性ホルモンと同様の働きをもつ。
閉経後の女性に適する。
女性ホルモン剤エストリール閉経後に著しく骨量が減少した場合に有効。
カルシウム製剤Lアスパラギン酸Ca骨の主成分であるカルシウムを補う。
活性型ビタミンD3
製剤
アルファロール腸からのカルシウムの吸収を助ける。
ビタミンK 2製剤グラケー骨にカルシウムが沈着するのを助ける。
 注)病院によっては使用していない薬もあります
予  防
 骨の量は思春期に急速に増加し30代前半でピーク(最大骨量)になります。
骨粗鬆症の予防はまず若い時に必要量のカルシウムをとり、十分に運動をすることで骨量を増やすこと、つまり骨量の貯金を十分蓄えておくことが大切です。中高年になっても日常生活のすごし方で減り方が大きく違います。
 適度な運動をして、骨が作られる時に必要なカルシウムやビタミンD、ビタミンKをしっかりとり、家に閉じこもらない生活を心がけましょう。喫煙やお酒の飲みすぎは骨量を減らすので気をつけましょう。現在は骨粗鬆症が疑われる場合は、早めに治療を開始することがすすめられています。
40代を過ぎたら、定期的に骨量の検査を受けましょう。

 

(薬剤師 吉嶋 はるみ)

運動は骨粗鬆症に効果はありますか?

骨粗鬆症には薬物療法の他に運動による治療がお勧めです。適度な運動は骨の新陳代謝を活発にします。またカルシウムを骨に定着するのを助け、骨を作る働きを活発にして骨量を増加させます。そして筋力がつくことで転倒の予防になります。
週に3回以上、30分~1時間位の運動が良いとされています。運動の種類としては「かかと落とし運動」や、「踏み台昇降運動」などがあります。
運動の負荷を段階的に強めたり、回数を増やすことで徐々に運動に慣れて行きましょう。ただし、
 1.高血圧の人
2.心肺機能に異常がある人
3.骨折したり、発熱がある人
4.体に痛みがある人、その他の病気で治療中の人
には激しい運動は勧められません。また運動の種類も様々なものがありますので、医師に相談してから始めて下さい。
正しい運動習慣を身につけ骨を強くし、転びにくい身体作りをしていきましょう。


(薬剤師 中山 春香)