帯状疱疹(たいじょうほうしん)

特集 No.93 2007年発行

どんな病気?
 水痘(すいとう)・帯状疱疹ウィルスが引き起こす疾患です。水痘とは水疱瘡(みずぼうそう)のことで、子どもの頃にかかったことがある方も多いでしょう。一度水疱瘡になると、症状が改善した後も、ウィルス自体は体内の神経に潜伏します。そして体力が落ちて抵抗力が弱まるとこのウィルスが活性化され帯状疱疹として発病します。年配の方に起こりやすいですが、若い方でもストレスや疲労、不規則な生活などが原因で起こる可能性はあります。通常は一度かかると再発することはほとんどありませんが、まれに再発することもあります。
症状は?
 まず、前兆として神経に沿って違和感やピリピリした痛みを感じます。前兆から長くて1週間後程に痛みの出た箇所に赤い発疹ができ、やがて水ぶくれとなります。そして、水ぶくれが膿(うみ)をもつ膿胞(のうほう)になり、さらにただれとなって、最後に黒褐色のかさぶたができて痛みがなくなるという経過をたどります。痛みは発疹がでた後もあります。痛みがでてから水ぶくれが治るまでの期間は3週間から1ヵ月くらいです。
特徴として、痛みや水ぶくれが体の左右どちらかに帯状にできることが多いです(必ずしも帯状とは限りません)。発生部位は胸、背中、腹部、顔によくみられますが、顔や耳にできた場合は「顔面神経麻痺」や「難聴」が起きたり、お尻や陰部に症状がでた場合は尿が出なくなることもあります。痛みに関しては水ぶくれが回復した後でも痛みが残ることがあり「帯状疱疹後神経痛」といい、特にお年寄りの方にはその注意が必要です。
治療法は?
 

1)薬物治療
・ポイントは、 1.ウィルスの増殖を抑える、 2.皮フの炎症を抑える、3.痛み、神経症状を抑える、以上の3点です。

 
1.ウィルスの増殖を抑える
内服薬バルトレックス錠など
点 滴重症の場合、顔や全身に起こった場合に行います。
場合によっては入院することもあります。
外用薬アラセナA軟膏
2.皮フの炎症を抑える外用薬ベシカム軟膏
3.痛み、神経症状を抑える内服薬ナイキサン、ロブなど、
メチコバール(ビタミンB12製剤)など
坐 薬ボナフェック坐剤など
神経ブロック痛みがひどい場合に麻酔薬を注射して一時的に痛みを抑える方法です。麻酔科などで行われています。
   
 2)その他
・患部を冷やすとウィルスの働きをかえって強めてしまいますので控えましょう。
・水ぶくれが破れてしまうと細菌が入り化膿するおそれがありますので注意しましょう。
最後に…
痛みが出始めたばかりの頃は頭痛や腹痛、腰痛等他の病気と区別がつきにくいですが、痛みが強さを増し、その強い痛みが4~5日続くと帯状疱疹の可能性があり注意が必要です。痛む部位に発疹を見つけた場合は早めに皮膚科を受診しましょう。
日常では規則正しい生活、十分な栄養の摂取、心の安静が必要です。ストレス、疲労をためないこと、不規則な生活は避けるようにしましょう。

 

(薬剤師 阪部 幸多)

帯状疱疹を人にうつしてしまうことはありますか? お風呂に入ってもいいのでしょうか?

人にうつることはほとんどありません。
ただし、一度も水疱瘡(みずぼうそう)にかかっていない人が、帯状疱疹の人の皮膚から接触感染して水疱瘡になってしまうことがあります。
水ぶくれが治るまでは、まだ水疱瘡にかかっていない赤ちゃんや子ども、妊婦さんなどには接触しないほうがよいでしょう。
水ぶくれがひどい時や、破けてただれているなど、皮膚の状態が悪い場合以外は、入浴してもかまいませんが、入浴方法については、症状に合わせて主治医と相談してください。
ご家族への感染が心配な場合は、最後に入浴すると良いでしょう。
                                                

(薬剤師 四方 晴美)