脂質異常証について
特集 No.95 2008年発行
みなさんは「脂質異常症」という病気をご存知ですか? コレステロールや中性脂肪という言葉を聞くとピンとくる方が多いのではないでしょうか? 近年、糖尿病や高血圧症とともに、メタボリックシンドロームの一因と言われています。 コレステロールや中性脂肪が高い状態が続くと、血液がドロドロになり、血管が固くなり、詰まりやすくなります。更に、動脈硬化症や狭心症などの原因にもなります。 しかし、コレステロールは大切な役割も担っています。からだの言周節に必要なホルモンなどの材料となったり、血管を丈夫にしたり、免疫力を高めたりする働きもあります。日本動脈硬化学会は『動脈硬化性疾患予防ガイドライン2007年度版』を発表し、病名が『高脂血症』から『脂質異常症』へ変更されました。 | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
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薬で脂質異常症を根本から治すことが出来ますか?
薬で脂質異常症を根本から治すことが出来ますか?
脂質異常症は遺伝性の脂質代謝異常を除くと、生活習慣に起
因する場合がほとんどです。どちらの場合も生活習慣そのものを正す必要があります。薬だけで治すことは不可能です。
軽度のうちに自己管理をしっかりし続ければ、検査値を基準値内に保ち続けることが出来ます。
また、薬を飲むようになっても、根気よく生活習慣の改善を続け、検査値が基準値内となれば、薬をやめることが出来る場合もあります。
さらに、その状態を保ち続ける生活が身に付けば、ある意味では治ったともいえるでしょう。
しかし、どちらの場合でも基礎として脂質異常症になりやすい体質があるので、油断して以前の食生活や運動不足の生活に戻れば、また脂質異常症になる可能性は高くなります。
( 薬剤師 三崎 千寛)