梅とウグイス
コラム No.198 2025年5月発行
春の景色の代表に「梅と鶯」があります。
万葉集には、梅と鶯が出てくる歌がいくつか収められています。
しかし、梅の木にやってくる鳥は鶯ばかりではありません。
梅の花を見ていると、ウグイス色の美しい小鳥が梅の花をついばむ姿が見られます。

この場合、多くはメジロです。鶯のウグイス色は暗めで地味ですが、メジロは鶯よりも明るいウグイス色をしています。
また、メジロという名の通り、目の周りが白いのが特徴で、鶯と区別することができます。メジロは花の蜜や果物などが大好きで、梅の花に蜜を吸いに来ます。
一見すると、梅はメジロに蜜を吸われるだけに思われますが、実は梅の方にも利益があります。梅は同じ木の花粉では実をつけないことが多いのです。
そのまま誰も花粉を運んでくれなければ、花は咲けども実をつけることが出来ません。
しかし、メジロが木から木へ、花から花へ蜜を求めて移動し、梅の花の蜜を吸うときに、異なる梅の花粉がめしべに運ばれてくっつきます。
結果として梅はよい実をつけることができるのです。
そのような特徴から梅は鳥媒花(ちょうばいか:鳥に花粉を運んでもらう花)に分類されており、大量の蜜をメジロなどの鳥に提供する代わりに、花粉を運んでもらいます。
梅干しには殺菌効果があり、独特の酸味が消化を助けたり、食欲を増進させたり、整腸作用もあるため下痢、嘔吐、食欲不振、腹痛、食あたり等に良いと言われています。
ほかにも、梅干しの成分の一つにクエン酸があります。クエン酸には体をアルカリ性にする効果があるため、コレステロールを下げたり、動脈硬化を予防するとも言われています。ただし、梅干しは塩分が多いので、食べ過ぎに注意して下さい。
(菊水ひまわり薬局 事務員 高田 力)
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ご覧になった時点と情報が異なる可能性もありますので、あらかじめご了承ください。
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