アイスクリーム頭痛

コラム No.199 2025年7月発行

今年も暑い季節がやってきます。
地球温暖化の影響で、北海道でも真夏日や猛暑日になることが当たり前のようになってきています。
そんな暑くてたまらないときは冷たいものを食べたり飲んだりして涼をとりがちですが、冷たいものを食べて頭が痛くなった経験があるのではないでしょうか?アイスクリームなどを食べて頭が「キーン」とする現象は、「アイスクリーム頭痛」と呼ばれ、医学的にも「冷たいものの摂取または冷気吸息による頭痛」と正式に定義されています。


梅とうぐいす

アイスクリーム頭痛が起きる原因として2つの事が考えられています。


➀冷たいものが喉を通るときに喉にある三叉神経が刺激され、それを脳が痛みと勘違いして頭痛が起きる。


②冷たいもので喉や口の中が急激に冷えたときに、身体は冷えた部分を温めるために一時的に血流量を増やそうとするため、脳につながる血管が膨張し頭痛が起きる。


このどちらかまたは両方が原因となって、アイスクリーム頭痛が起きると考えられています。

特徴的なのは他の病気が原因で起こる頭痛ではなく誰にでも起こりますが、通常数分程度で治まります。

口の中でゆっくり溶かしながら食べることで、ある程度頭痛を防ぐことができます。

もし頭痛が起きてしまったら、保冷剤や冷たいペットボトルなどをおでこに当てることで脳の血管が膨張するのを抑え、頭痛を軽くすることができます。


またこの頭痛は冷たいものを食べた時以外にも、冷気を吸った時に起こることがあります。

寒い日に冷たい空気を吸って頭痛がするのはアイスクリーム頭痛の一種である可能性があります。

ただし、頭痛のほかに吐き気やめまい、片方の手足がしびれる、呂律が回らないなどの症状があるときは脳卒中などの危険性があるので、すぐに医療機関を受診しましょう。
上手に涼をとって暑い夏を乗り切りましょう。

(薬剤師 片野 智)

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