銀杏中毒について

コラム No.201 2025年11月発行

銀杏を食べ過ぎると危険という話を聞いたことはありませんか。

茶碗蒸しや炊き込みご飯などの料理に使ったり、炒った銀杏をおつまみにするのも美味しいですが、一度にたくさん食べ過ぎると嘔吐や痙攣などの中毒症状を引き起こすことがあるので注意が必要です。

銀杏は、タンパク質・カロテン・ビタミンCなどを含む栄養価の高い食材ですが、有毒成分である4-O-メチルピリドキシンも含まれています。

この成分はビタミンB6と構造が似ており、体内でビタミンB6の作用を妨げ、中枢神経系の異常興奮を引き起こします。

この有毒成分は熱に強く、煮る・焼くなどの加熱調理をしても消失しません。

一度に何個までなら食べても大丈夫と一概には言えませんが、5歳以下の小児では6〜7個、大人では約50個食べて中毒症状が現れた例があります。

特に5歳以下の小児に起こりやすいため、5歳以下の小さい子供には与えない方が良いと思います。

梅とうぐいす

銀杏中毒の症状は、摂取後1〜12時間で現れ始めます。

初期症状では吐き気や嘔吐、下痢などの消化器症状が多く見られ、症状が進行すると、痙攣発作や手足の痺れなどの神経症状が現れます。

重篤なケースでは、意識障害や呼吸困難、不整脈などの症状が現れることがあります。

銀杏中毒の症状の程度は個人差が大きく、摂取量や体質、年齢によって異なります。

特に子どもや高齢者、偏食や飲酒などの栄養状態によって少量の摂取でも重篤な症状が現れやすいため注意が必要です。


銀杏は適切な量で摂取していれば、血圧を下げたり、むくみの改善、抗酸化作用などの効果が期待できます。

年齢にもよりますが、6歳以上の子どもは1〜2個、大人でも6〜7個程度で止めておくと安心です。

食べ過ぎには気をつけながら、美味しく楽しみましょう。

(西区ひまわり薬局 事務 能戸 麻亜子)

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