OTC医薬品とセルフメディケーション
「セルフメディケーション」いう言葉を聞いたことはありますか?
セルフメディケーションとは、「自分自身の健康に責任を持ち、軽度な身体の不調は自分で手当てすること」と世界保健機構(WHO)は定義しています。
- 規則正しい生活を心がける
- 健康と生活習慣をチェックする
- 専門家を活用し、正確な知識を持つ
- OTC医薬品を上手に使う
体調の管理、病気の予防を積極的に行い、軽い病気の症状緩和には、OTC医薬品を活用するなど、自分自身で健康管理を行うことがポイントとなっています。
OTC医薬品とは
OTC医薬品とは
医師に処方してもらう「医療用医薬品」ではなく、薬局・薬店・ドラッグストアなどで、処方せん無しに購入できる医薬品のことです。
薬剤師などの専門家が薬局でカウンター越し(英語:Over The Counter)に説明してから販売されるので、OTC医薬品と呼ばれます。
一般的には市販薬とも呼ばれ、自分の健康状態に基づいて、薬剤師や登録販売者からの適切な情報を受け自己判断において購入し使用します。
OTC医薬品にはリスクに応じた区分があり「要指導医薬品」と「一般用医薬品」に分類されます。
さらに一般用医薬品にはリスクに応じた3つの区分があります。
それぞれ販売時の陳列や薬剤師等の専門家の関わり方、情報提供の仕方が決められています。
OTC医薬品の分類
OTC医薬品の分類
要指導医薬品
【くすりの例】一部のアレルギー薬など
医療用医薬品からOTC医薬品になって間もないもので、リスクが不確定なため、薬剤師の説明を聞かなければ買うことができません。
インターネットなどでの販売は禁止されています。
一般用医薬品
第1類医薬品
【くすりの例】一部の解熱鎮痛剤や毛髪剤など
一般用医薬品として使用実績が少ないものや、副作用、相互作用などで安全性上、特に注意を要するもの。薬剤師の説明を聞かないと買えないため、手の届かない場所に置かれています。
一般用医薬品
第2類医薬品
【くすりの例】
主なかぜ薬、解熱鎮痛剤など
副作用、相互作用などで安全性上、注意を必要とするもの。
一般用医薬品
第3類医薬品
【くすりの例】
一部のビタミン剤、整腸剤や消化剤など
副作用などで安全性上、多少の注意を必要とするもので、第1類医薬品と第2類医薬品以外の一般用医薬品。
購入するお薬はどうやってえらんでいますか?
購入するお薬はどうやってえらんでいますか?
どの薬を選べばよいか迷うこともあると思いますが、症状や体質にあった薬を選ぶことが重要です。
セルフメディケーションは、自ら取り組むものですが、薬剤師はそのサポートをします。
- 誰が使用するのか?(年齢や性別、妊娠や授乳なども)
- どのような症状が?
- どの程度の強さで?
- いつから?
- 突然なのか? 徐々になのか?
- その症状は時間の経過に伴って良くなってきた?ひどくなってきた?
- 主症状の他にも症状があるか?
- 医療機関にかかっているのか、治療中の病気は?
- ほかに現在使用している薬やサプリメント、健康食品があるか?
- はじめての購入か?
- 薬のアレルギーや副作用歴があるか?
他にお薬を飲んでいる場合は、お薬手帳を提示しましょう。
他にお薬を飲んでいる場合は、お薬手帳を提示しましょう。
OTC医薬品の中には、副作用や相互作用などの項目で安全性上、特に注意を要する医薬品もあります。
OTC医薬品の販売は相談の結果であり、相談を受け情報提供のみをすることもあります。
症状の程度や状態によっては医療機関への受診をお勧めする場合や、不適切な使用が疑われる場合には販売できない事もあります。
セルフメディケーションのために、気軽に相談できる「かかりつけ薬剤師」を持つことをお勧めします。
(薬剤師 四方 晴美)
OTC 医薬品でも副作用が起こることはありますか?
OTC 医薬品でも副作用が起こることはありますか?
薬の性質上、OTC 医薬品でも「副作用がまったく起こらない」というものはありません。
購入する際に、アレルギーや持病の有無、服用している薬などをきちんと薬剤師に伝えましょう。
また、薬を使用する際には、必ず添付文書(薬に添付されている説明書)を読み、注意事項を守って使用することが大切です。
薬を使った後に「おかしい」「いつもと違う」などの異常を感じたら使用をやめて、医師や薬剤師に相談しましょう。
OTC 医薬品により重篤な副作用が起こることはまれであり、怖がりすぎることはありませんが、「起こる可能性がある」と心がまえをしておくことは大切です。
(薬剤師 四方 晴美)
ご覧になった時点と情報が異なる可能性もありますので、あらかじめご了承ください。