北海道の「リラ冷え」とは?

コラム No.156 2018年5月発行

今年の冬季オリンピックで活躍したカーリング女子選手たちが試合中に話していた言葉(北海道弁)の「そだねー」が全国的に有名になりましたが、実は他にも全国に広まって有名になった言葉があります。「リラ冷え」という言葉を皆さんご存知でしょうか?


「花冷え」という言葉があります。桜の咲く時期、一時的に気温が低くなったり、冷たい雨が降ったりしますが、そんな冷え込む日のことを表しています。春になっていったん気温が上がったあと突然寒くなる「寒の戻り」の言い方の一つです。

この「花冷え」と同じ使い方で、北海道では「リラ冷え」という言葉を使っています。「リラ」=「ライラック」。

札幌では5月中旬から見ごろをむかえる花です。リラ(lilas)はフランス語で、英語名はライラック(lilac)です。「札幌市の木」に指定されており、毎年5月中旬~下旬に「ライラック祭り」が開かれます。

北海道では、ライラックが咲く5月中旬から6月にかけて、最高気温が25℃を超える夏日があったかと思えば、思いがけず10℃を下回る寒い日もあります。その冷え込む気候を表現したのが「リラ冷え」です。

「リラ冷え」という言葉は、1960年に北海道の俳人が俳句の中で使ったのがはじめてと言われています。その後、札幌市出身作家の小説のタイトルになってから全国的に有名な言葉となったそうです。現在では俳句の季語として5月の北海道を表す言葉になりました。「リラ冷え」の季節は、急激な温度変化が有り体調管理が難しい時期でも有ります。風邪などひかぬ様に健康管理には十分お気を付けください。

(薬剤師 廣奥  智恵)

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