春と睡眠

コラム No.155 2018年3月発行

皆さんは「春バテ」という言葉をご存知ですか?「春バテ」とは生活環境の変化や激しい寒暖差、ホルモンバランスの乱れなどが原因でおこる症状で、体がだるく感じたり、イライラしたりといった身体的や精神的な不調があります。その他にも睡眠の不調があるともいわれています。

 

有名な漢詩のなかで「春眠暁を覚えず」という一節があります。これは「春の朝は心地よく眠ってしまい、夜が明けたのも気づかない」と一般的に訳されますが、昔の人も現在と同じように春の心地よさを楽しみながらも、睡眠の不調に悩まされていたのかもしれません。

春の寝起きの悪さや昼間の眠気の耐え難さの原因には、年度替わりの行事などで慌ただしく、睡眠不足となりがちになることもあります。

他にも眠りを誘うホルモン、「メラトニン」が大きく関係していると言われています。

この「メラトニン」は暗くなると脳内で分泌され眠りを誘い、明るくなると分泌が低下し目が覚めます。日の出が早くなる春は、「メラトニン」が冬に比べて早く低下するためゆっくり眠れなくなり睡眠不足になると考えられています。

このように、ホルモンバランスの乱れやすい春は体調管理の面で気を付けなければなりません。「春バテ」の対策として深呼吸(腹式呼吸)、適度な運動、また就寝前にぬるめのお湯にゆっくりつかって体を温めることも効果的と言われています。厳しい冬をのり越え油断しがちな春ですが、体調のコントロールに気を付けてお過ごしください。

東区ひまわり薬局(事務員 堺  達哉)

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