子ども食堂って何?

コラム No.163 2019年7月発行

子ども食堂とは「子どもが1人で利用する事ができ、地域の人が無料または少額で食事を提供する場所」です。

2012年に東京大田区で始まり、2018年4月には子ども食堂の数が全国で2,200か所を超えたと調査結果が発表されました(子ども食堂安心・安全向上委員会調査)。運営主体は、個人やNPO法人、福祉施設、飲食店、地域のコミュニティサロンなど様々です。運営の主な目的は「子どもの多様な学びと交流」「困難を抱える子どもへの支援」を軸とした子どもの居場所づくりです。

全国で子ども食堂が増えている背景には、深刻化する子どもの貧困問題があります。厚生労働省が2012年に行った調査によると、所得が平均的世帯の半分(年122万円)に満たない家庭で暮らす18歳未満の子どもの割合(子どもの貧困率)は16.3%まで上昇し、6人に1人の子どもが貧困状態にあるとわかりました。


道内はさらに全国平均より高い貧困率との分析もあるようです(北海道新聞より)。全北海道教職員組合から「給食のない夏休みの間に体重が減る子どもがいた」「虫歯治療ができない子どもがいた」「眼鏡・文房具が揃わない子どもがいた」等、事例が報告されています。また一人親世帯の子どもは「夕食を一人で食べる子ども(孤食)」の割合が高いという調査も札幌市で出されています。


こうした事から、「自分も力になりたい」と子ども食堂を始める人が多いようです。ただ、子ども食堂が必ずしも「経済的に恵まれない子どもを対象とする」と限定している訳ではないようです。理由の一つとして「子ども食堂に来る子は貧困」とのイメージが独り歩きしないよう、多くの子ども達に来場を呼びかけるためです。また子どもだけではなく、保護者や地域の住民に来場を呼びかけ交流する子ども食堂もあります。


ひまわり薬局が加盟している団体「北海道民医連」の道央圏内でも、現在7か所の子ども食堂を運営しています(東区・白石区・北区・南区・西区・当別・苫小牧 ※子ども食堂の名称を使用していない場所も含んでいます)。

各子ども食堂ではボランティアや参加者を募集しています。

興味がある方は、お近くの民医連事業所に声をかけてみて下さい。

(事務 佐藤 浩二)

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