夏バテ(暑気あたり・夏やせ)と漢方薬

コラム No.169 2020年7月発行

新型コロナウイルス感染拡大防止のため、夏の風物詩のお祭りや盆踊りなど色々な催し物が中止になり残念ですが、皆さんはいかがお過ごしでしょうか?


これから暑い日々が始まりますが、今が旬のきゅうりやトマトに茄子・とうもろこし、アジやイカ、西瓜などを食事に取り入れて体調を崩さぬようにお気をつけください。

また、高齢の方は暑さや口の渇きなどを感じにくい場合があります。室内の温度に注意して、早めの水分摂取を行い体調管理に心がけましょう。

しかし、日々の食事や体調に気をつけていても夏バテになってしまうことがあります。
今回は、夏バテがひどくならないように体力(免疫力)を補う漢方薬についてお話をしたいと思います。

漢方薬で夏バテの薬といえば、清暑益気湯(せいしょえっきとう)です。服用の目安は、暑さによる食欲不振・下痢・全身のだるさ、脱水などです。

ところがこの漢方薬はほとんど「夏バテ」にしか使用されないので、普段から置いてある薬局が少ないという欠点があります。


そこでこの漢方薬の効き目に比較的近いものとして、補中益気湯があります。
補中益気湯(ほちゅうえっきとう)は、手足がだるい、食欲不振が目安です。脱水の改善作用は弱いので、適切な水分摂取が必要です。

このため普段は補中益気湯を服用しているが、夏だけ清暑益気湯に切り替える方もみられます。


その他にも暑気あたりには五苓散や胃苓湯、柴苓湯などがあり、口の渇きには糖尿病でも使用される白虎加人参湯が使われます。

体力回復(だるさ・食欲不振)に十全大補湯や人参養栄湯、食欲不振には六君子湯に小柴胡湯なども使用されます。


※病院・診療所で在庫の無い場合もあります。詳しくは医師・薬剤師にご相談ください。

(薬剤師 佐生 明雄)

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