化学物質過敏症をご存知ですか

コラム No.175 2021年7月発行

汗をかいた体に制汗剤を使用したり、洗濯物に良い香りのする柔軟剤を使用する方は多いと思います。便利で気持ちの良いと思われているこれらの香りが、体調不良を引き起こす原因となりうることをご存知でしょうか。


ごく微量の化学物質に反応して体調不良を引き起こす病気のことを化学物質過敏症といいます。何らかの化学物質が大量に体内に入り込んだり、微量でも繰り返し体内に蓄積された後に発症するとされています。


症状としては、頭痛・喘息・吐き気・耳鳴り・目のかすみなどから意識喪失・歩行困難・うつ状態など広範囲に渡り現れます。これもごく一部の症状で、人によって現れる症状が異なるため、化学物質過敏症と診断されるまで医療機関を何か所も受診することも少なくありません。


症状を引き起こしてしまう製品は、洗濯用洗剤や柔軟剤、制汗剤、殺虫剤、たばこの煙、建築材、染料、印刷物、ペンなどの筆記用具など身の周りに多くあるものです。通りすがりの人のシャンプーの香りや店員さんが触った商品への移り香など微量な化学物質でも症状が起きるため、症状が酷くなると電車やバスなどの利用が難しく、旅行や映画館に行くこともできません。重症になると、仕事や家事が出来ない、学校へ行けないなど通常の生活を送ることも難しくなってしまいます。症状が起きないように活性炭マスクや防護マスクをして生活していても、完全に防ぐことは難しいです。


私たちが普段使用しているものが、人によっては有害になることがあるのだということを頭の片隅においていただけると幸いです。

(事務 能戸麻亜子)

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