旬の魚を食べてみませんか?

コラム No.176 2021年9月発行

徐々に夏の暑さが和らぎ秋の季節がやってきました。
秋といえば、芸術の秋、読書の秋、スポーツの秋などいろいろな表現があります。
様々な食べ物が旬を迎えることから、食欲の秋とも言われますね。


旬の食材は、農作物でも魚介類でも大量に収穫されて市場に出回るため、価格が抑えられるメリットがあります。

また野菜や果物はビタミンが豊富だったり、魚は脂がよくのっていたりと旬の食材は味も良く、栄養価も高くなる傾向があるといわれています。


ところで魚に含まれる油は生活習慣病の予防に効果がある話はご存知でしょうか。

魚に含まれる油にはEPA(エイコサペンタエン酸)やDHA(ドコサヘキサエン酸)が含まれており、特にEPAは血管の中で血の塊(血栓)ができるのを抑えたり、コレステロールや中性脂肪を減らす働きがあり、血液をサラサラにすることで動脈硬化や心筋梗塞、脳梗塞を予防します。


海に生息する動物を主食とするグリーンランドの人々は血栓性疾患にかかる割合が低く、血清脂質も低いという事実があります。
また彼らの血中にはEPA、DHAが高濃度に存在しているということがきっかけとなりEPA、DHAは注目されるようになりました。



このEPA、DHAですが、人間の体内ではほとんど作られないので、食べ物から摂取する必要があります。
特に青魚(イワシ、サバ、サンマなど)に多く含まれており、魚介類を摂取しない場合は不足しがちになります。


サプリメントを摂取する場合は1日量を守って正しく摂取してください。
サプリメントでも摂れますが、せっかくの旬ですので、この食欲の秋に脂がのった旬の魚を食卓に加えてはいかがでしょう。

(薬剤師 石川 知樹)

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