生姜の効能

コラム No.177 2021年11月発行

寒い季節になってきました。冷え対策として用いられる「生姜(しょうが)」。その主な成分は、ジンゲロールとショウガオールです。ジンゲロールは生の生姜に多く含まれる辛み成分です。殺菌効果があり、血のめぐりをよくし、一時的に発汗を促す作用があります。水分代謝の悪化による夏のむくみや、体に熱がこもりやすい方におすすめです。生姜を加熱するとジンゲロールの一部がショウガオールという成分に変化します。

体内の糖質や脂肪を燃焼させて熱を作りだし、体を温める効果が高くなります。


生姜は漢方薬に欠かせない生薬でもあります。生姜(ショウキョウ)は生の状態から乾燥させたものです。吐き気や食欲不振を改善する健胃作用があり、他にも解熱や咳止めの効果も期待できます。

乾姜(カンキョウ)は蒸した後に乾燥させたものです。体の中から温める作用が強く、胃腸の冷えている下痢・便秘、腹痛の際に効果を期待できます。


このような特徴のある生姜は、薬味や香辛料として食事に欠かせない食材です。生姜独自の成分(ジンゲロール)のほとんどは皮の近くに多く含まれています。
また、空気にふれるとすぐに酸化して働きを失ってしまいます。皮をむかずに使用し、すりおろす時は食べる直前にするのがおすすめです。



またショウガオールを増加させるには、オーブンでのローストや天日干しなど、100℃以下の加熱で乾燥させるのがおすすめです。

生姜は10度以下になると低温障害を起こしてしまい生姜独自の成分の多くが減ってしまいます。

保存するときは湿った新聞紙に包み光の当たらない所に置いておくと、皮がジンゲロールを酸化から守ってくれます(1~2週間が目安)。


または、使いやすい大きさにカットして冷凍保存し、使用する時は解凍せずそのまま使用しましょう(1~2ケ月が目安)。

効果的に生姜を活用していきましょう。

(薬剤師 新井 ゆかり)

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