マイナ保険証ってなに? 本当に必要なの?

コラム No.183 2022年11月発行

皆さんは、マイナンバーカードを健康保険証として利用(以下、マイナ保険証)できるようになったことを御存知でしょうか?


政府は、10月13日の記者会見で2024年秋の健康保険証の廃止を目指し、マイナ保険証の利用を進めようとしています。これは、マイナ保険証がないと医療を受けられない事態を生み、任意であるマイナンバーカードの取得を事実上強制することにつながります。


さらに、令和5年4月からは医療機関によるオンライン資格確認が義務化されます。マイナ保険証のICチップを経由しオンラインで保険情報を入手し、暗証番号や顔認証システムで本人確認を行います。ただし、現在の健康保険証も当面は継続して使用できます。


医療機関では保険情報を素早くコンピューターに登録でき誤入力も防げますが、現行の保険証による確認に大きな問題はありません。また、健康保険証は月に1度の提示ですが、マイナ保険証は毎回の確認が必須となり、それに伴う窓口対応が増え、医療機関や患者さんの負担が増すことが想定されます。

さらに、顔認証システムによる画像データは国が管理する方向で進められています。また、カードの電子証明書の有効期限は5年間で、カードの更新時にはその都度役所へ行かなければなりません。一つのカードに集約された個人情報の漏洩、紛失、盗難のリスクという心配もあり、問題は山積みです。


個人情報を国が管理することに多くの人が不安を感じています。大切な個人情報を一元管理する目的に多額の税金を投じることが、今必要なことなのでしょうか?


大切なのは誰もが安心して適切に医療を受けられることです。実際に利用する患者さんが「納得でき」、「利用しやすい」「安心できる」仕組みづくりを求めていきましょう。
私たち民医連はマイナ保険証の義務化に反対し、ひまわり薬局でも改善に向けた署名活動に取り組みます。賛同いただける方は御協力をお願いします。

(事務員 羽野 拓真)

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