食べる水!? きゅうり

コラム No.186 2023年5月発行

「Least calorific fruit(直訳で「最もカロリーの低い果実」)」
ギネスブックできゅうりがこのように紹介されていることをご存じでしょうか?
きゅうりはウリ目ウリ科キュウリ属の植物で、果実が食用部分です。サラダや酢の物、和え物、漬物などで食卓を彩ることが多い野菜ですね。
そんなきゅうりは可食部100gあたりわずか13kcalです。
同じ量のおにぎりが170kcalですので、その10分の1以下ということになります。


食品の成分でエネルギー源として利用できるのは、炭水化物・タンパク質・脂質の三大栄養素です。

炭水化物とタンパク質は1gあたり4kcal、脂質は9kcalのエネルギーを作り出すと言われています。

きゅうりは約95%が水分であり、残りの5%に含まれる三大栄養素を合計すると13kcalになるのです。
低カロリーであることからダイエット時に注目される食品でもあります。

歯ごたえがあるきゅうりをよく噛んで食べることで満腹中枢が刺激され、満腹感が得られやすくなります。
食事の前や最初の方に食べるのがお勧めですが、塩分を控えている人はドレッシングなどの調味料を使いすぎないようにしましょう。
 

また、ほとんどが水分のきゅうりは「食べる水」と言っても過言ではないでしょう。
これから迎える夏の熱中症対策として「水分を摂る」ことが挙げられますが、きゅうりを食べることで手軽に水分摂取ができる他、ミネラルとしてカリウムを摂ることもできます。
ちなみに、カリウムには体の余分な塩分(ナトリウム)を体外に出す働きがあるので、むくみをとったり血圧を下げたりする効果も期待できます。

ただし、何事もやりすぎは禁物。食べすぎると体を冷やすことがあるので注意しましょう。

また、きゅうり100gに含まれるカリウムは200mgですのでカリウムを摂りすぎないようにと言われている人も同様に注意が必要です。
適度に美味しく食べて、これからの季節を乗り切りましょう。

(薬剤師 高橋 梨恵)

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