食中毒に気をつけましょう

コラム No.187 2023年7月発行

例年9月頃までは高温多湿な環境で、食中毒が心配になります。

体に害をもたらす細菌は30~40℃で最も増えやすくなるため、夏は細菌性食中毒が多くなります。

細菌性食中毒の症状は原因の菌にもよりますが、発熱・腹痛・嘔吐・下痢などの症状が出ます。

症状が発症するまで、病原菌によって1~6時間の短期間のものから、2~7日程度要するものも存在するので注意が必要です。


そこで重要になってくるのが食中毒予防の3原則、細菌を「つけない」「増やさない」「やっつける」の3つです。

  • 細菌を「つけない」
    生の肉や魚介類、卵の殻には細菌などがついていることがあります。
    他の食品に細菌が移らないよう、手や調理器具は調理前、食材が変わるごとによく洗いましょう。
    調理器具は洗った後に熱湯をかけると殺菌効果が高まります。
  • 細菌を「増やさない」
    細菌は10℃以下で増殖しにくくなります。食べ物に付着した菌を増やさないためには、冷蔵庫を利用して低温で保存することが重要です。
    加熱調理後の食品は粗熱を取ってから冷蔵庫に入れましょう。小分けすることで早く冷めます。
    しかし、冷蔵庫に入れても、細菌はゆっくりと増殖しますので、冷蔵庫を過信せず、早めに食べることが大事です。
  • 細菌を「やっつける」
    ほとんどの細菌は加熱によって死滅しますので、肉や魚はもちろん、野菜なども加熱して食べれば安全です。
    特に肉料理は中心までよく加熱することが大事です。目安は中心部の温度が75℃で1分以上の加熱です。
    肉汁が透明になって中心部の色が変わるまで加熱すれば安全に食べられます。


食中毒予防の3原則を心がけ、今年の夏を乗り越えましょう。

(薬剤師 佐々木 康行)

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