なぜ冬至にかぼちゃ?

コラム No.189 2023年11月発行

かぼちゃはスーパーなどで1年中見かけますが、なぜ冬至にかぼちゃを食べるのでしょうか?


かぼちゃは16世紀にポルトガルの船が九州地方に寄港したとき、カンボジアの野菜だと言われたことからそれがなまって「かぼちゃ」と呼ばれるようになったと伝えられています。

主にニュージーランドやメキシコから輸入されていて、日本国内での生産量は北海道が5~6割を占めています。

収穫の旬は夏ですが、数ヶ月置いて熟すと甘味や栄養価が増すので食の旬は秋~冬になります。

かぼちゃの英語名は「パンプキン(pumpkin)」と思われがちですが、「pumpkin」はハロウィンで使われる皮がオレンジ色のかぼちゃのことを指し、私たちが普段目にする皮が緑色のかぼちゃは「スクウォッシュ(squash)」と呼ばれます。


かぼちゃはβ-カロテン、ビタミンC、E、B1、B2、カリウム、食物繊維などが多く含まれていて、とても栄養価が高いです。


特に皮にはβ-カロテンが多く含まれているので、上手に調理をして皮ごと食べるのがおすすめです。ビタミンCやEは免疫力アップに効果があるので、冬至にかぼちゃを食べるのは、免疫をつけて寒い冬を乗り切ろうという意味合いがあるようです。

またかぼちゃの種は捨ててしまうことがほとんどだと思われますが、ヨーロッパでは「パンプキンシード」と呼ばれ、古くから食用として親しまれています。パンプキンシードには亜鉛やマグネシウムなどのミネラルが多く含まれています。

そのままだと硬くて食べにくいので、かぼちゃの種を電子レンジで3分程度加熱した後冷まします。

殻ごと食べられますが、殻を剥いて食べても良いです。


かぼちゃは長期保存がきく野菜であり、健康に欠かせない栄養がたくさん含まれていて、捨てるところがない優れた野菜です。

カロリーや糖質がやや高いので食べ過ぎに気をつけながら、無駄なく食べて健康な体を作りましょう。

(薬剤師 片野 智)

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