白内障

特集 No.157 2018年7月発行

「白内障」という病名を聞いたことがある方は多いと思いますが、みなさんはどんなイメージをお持ちでしょうか?

「目が見えなくなる」「手術をしなければならない」「今は見えるから放っておいても大丈夫……?」など、様々なイメージがあると思います。

今回はそんな白内障についてお話しします。

白内障とは

目のレンズの役割をもったのが水晶体、上下に覆われているのが虹彩、外側に角膜

目の中にあるレンズの役割をする水晶体が濁ってしまう病気です。

加齢に伴って発生する場合が最も一般的ですが、病気や薬の影響、ケガなどによって発生する場合もあります。

早ければ40歳代から発症し、80歳以上では程度の差こそあれほとんどの人が白内障になると言われています。

白内障は、放置さえしなければ失明する可能性は低い病気なので、進行する前に治療をすることが大切です。

症状

白内障は、初期には自覚症状がない場合が多く気づきにくい病気ですが、進行してくると視界が暗くなる、白っぽくかすんで見える、まぶしく見えるなどの症状が出てきます。

特に夜間に強い光を見た時に、通常よりもまぶしく見える場合は白内障の可能性があります。

治療

薬物治療

薬は、予防または進行を遅らせるものであり、濁ってしまった水晶体を元に戻すことはできません。現在では点眼薬が主流です。

 

白内障治療に使われる点眼薬(商品名)

カリーユニ点眼液、

カタリン点眼液

白内障を引き起こす物質の作用を妨げる

 タチオン点眼液

抗酸化作用で白内障を予防する

 

 

手術

白内障の根本的な治療は手術しかありません。

また、手術をする時期は日常生活に支障を来すようになった場合が一般的です。

白内障手術は濁った水晶体を取り除き、代わりとなる人工のレンズを入れるものです。

手術は怖いというイメージもあると思いますが、白内障手術の成功率は99%程度、日本では年間140万件も行われており、外科的手術の中でも最も多い部類に入ります。

また、近年は手術の目への負担も少なくなってきており、日帰り手術も多く行われるようになってきています。
白内障手術で問題になるものに術中虹彩緊張低下症候群※があり、これは泌尿器科や高血圧、神経科などの一部の薬の影響により起こることがわかっています。

すでに服用中の薬を中止しても手術への影響は変わらないため、これらの薬を服用している、または過去に服用していたことを事前にお薬手帳などで医師に伝え準備をしてもらうことで、より安全に手術を受けることが出来ます。

 

術中虹彩緊張低下症候群(じゅっちゅうこうさいきんちょうていかしょうこうぐん):手術中に虹彩の緊張が低下すること。本来収縮して開いていなければならない虹彩がうねったり動いたりするため、手術が難しくなる。


術中虹彩緊張低下症候群を起こす可能性のある薬

商品名(成分名)

エブランチル(ウラピジル)、タムスロシン(タムスロシン塩酸塩)、デタントール(ブナゾシン塩酸塩)、トランデート(ラベタロール塩酸塩)、ドキサゾシン(ドキサゾシン)、フリバス(ナフトピジル)、ミニプレス(プラゾシン)、ユリーフ(シロドシン)、インヴェガ、ゼプリオン水懸筋注(パリぺリドン)、リスパダール(リスペリドン)


※医療機関によって使用薬品名は異なります

 

白内障手術後には眼の中の感染と炎症を防ぐために点眼薬を使います。

点眼薬は、抗菌点眼薬、ステロイド系抗炎症点眼薬、非ステロイド系抗炎症点眼薬の3種類を1〜3か月使用するのが一般的です。

白内障についてご理解は深まったでしょうか?

早期発見、早期治療のために、気になる症状がある場合は早めに眼科へ受診しましょう。

白内障を予防するにはどうしたらいいですか?

サングラスと麦わら帽子のイラスト

加齢に伴って起こる白内障はアンチエイジングで予防できると考えられます。
睡眠不足や脱水状態などは避けましょう。また、紫外線も白内障の原因となるため、サングラスや紫外線カット効果のあるコンタクトレンズ、つばの広い帽子の使用もよいですね。適度な運動やバランスの取れた食生活などに気を付け、健康に過ごすことが一番の予防になるでしょう。

(薬剤師 木下  育絵)