帯状疱疹

特集 No.154 2018年1月発行

免疫力が低下すると、風邪などをひいたり体調を崩しやすくなります。
そんなときに注意したい病気の1つに、帯状疱疹があります。

原因と症状

帯状疱疹とは、水ぼうそうを起こすウイルスと同じ水痘・帯状疱疹ウイルスが原因で起こる、痛みをともなう皮膚湿疹です。

はじめて水痘・帯状疱疹ウイルスに感染したときは、水ぼうそうとして発症します。多くの人が子どもの頃に水ぼうそうにかかり、発症して1週間程度で治ります。ウイルスは、水ぼうそうが治った後も体の神経節(神経の細胞が集まった部分)に潜んでいますが、健康で免疫力が強い間は活動が抑えられています。しかし、加齢やストレス、過労、病気などによってウイルスに対する免疫力が低下したときにウイルスが再び活動を始め、神経を伝わって皮膚に到達し帯状疱疹として発症します。

帯状疱疹の初めの症状として、約8割の方はチクチク・ピリピリとした鋭い痛みを感じます。その後、痛みのあった場所に赤いブツブツとした発疹ができます。発疹は身体の左右どちらか一方の神経に沿って帯状に現れるのが特徴です。胸から背中にかけて最も多くみられ、全体の半数以上が上半身に発症します。また、顔面、特に眼の周囲も発症しやすい部位です。皮膚症状は、水ぶくれからかさぶたになっておさまります。痛みが起こり始めてからかさぶたが治るまで、約3週間から1ヵ月かかり、多くの場合、強い痛みを伴います。水ぶくれが破れると細菌による感染が起こりやすくなります。細菌による化膿を防ぐためにも、患部はさわらないようにしましょう。
痛みは、刺すような鋭い痛みから始まり、しだいに衣類とこすれるようなわずかな刺激にも、ピリピリと痛みを感じるようになる場合もあります。ほとんどの場合、皮膚症状がよくなると共に痛みも無くなります。
帯状疱疹は一度治っても免疫の働きが低下した時に再発することもあります。

帯状疱疹後神経痛

帯状疱疹が落ち着いても強い痛みがしつこく続くことがあります。この状態は、「帯状疱疹後神経痛」と呼ばれます。帯状疱疹後神経痛は、ウイルスに感染した神経に起こる病気で、慢性的な痛みが、数ヶ月から数年単位で続きます。これは、帯状疱疹による神経の炎症が原因で、神経が傷ついた結果、神経痛が残ってしまった状態です。皮膚の表面や奥の方が痛み、ピリピリ、ズキズキ、チカチカ、鋭く電気が走ったような、針で刺されたようななどと表現されます。

治療

帯状疱疹の原因となるウイルスに対しては抗ウイルス薬、痛みに対しては消炎鎮痛薬を使用します。帯状疱疹後神経痛には神経性疼痛緩和薬、鎮痛補助薬などを使用します。(下表参照)
抗ウイルス薬を飲んでいるときに脱水症状になると副作用が出やすくなるので、いつもより水分を多くとるように心がけましょう。

帯状疱疹抗ウイルス薬バラシクロビル、アラセナ‒A 軟膏®
消炎鎮痛薬アセトアミノフェン、非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs)、ベシカム軟膏®
帯状疱疹後神経痛神経性疼痛緩和薬(リリカ®)、鎮痛補助薬(トリプタノール®など)、神経ブロック注射

 

※医療機関によっては扱っていない薬もあります。

帯状疱疹にかかった時に、日常生活で注意をすることはありますか?

疲れを取るために体を休めたりストレスをためないように気分転換などをしてリラックスしましょう。
また、患部を冷やすと神経痛を悪化させてしまうので、入浴で温めるようにしましょう。また、帯状疱疹は水ぼうそうになったことがない子どもには「水ぼうそう」としてうつしてしまう可能性があるので、子供が集まる場所は避けるようにしてください。



 

(薬剤師 片野  智)