腸内フローラについて

特集 No.158 2018年9月発行

最近、テレビ番組やコマーシャルなどで腸内フローラについてとりあげられています。
今回は腸内の健康について特集します。

腸内フローラとは

人の腸内には、約100兆個もの細菌が存在しています。人間の体の細胞はおよそ37兆個ということからも、その多さがよくわかります。こうして無数にひしめきあう腸内細菌は、顕微鏡で観察した際それらが個々に生息する様相が花畑のようであったことから植物相(フローラ)にちなんで「腸内フローラ」と呼ばれるようになりました。

腸内細菌の種類

腸内フローラを形成している菌は、働きによって3つに分けられています。
1つめは私たちの身体を守る善玉菌、2つめが増えすぎると身体に悪影響がある悪玉菌、そして3つめは状況によって善玉菌の味方をしたり悪玉菌の味方をしたりする日和見菌(ひよりみきん)です。

腸内フローラには「善玉菌:悪玉菌:日和見菌が2:1:7」という理想のバランスがあります。


日和見菌は腸内細菌の7割を占め、善玉菌が優勢な状態であれば善玉菌に加担します。一方、腸内で悪玉菌が優勢となれば悪玉菌に加担します。腸内環境を整えるには、善玉菌を増やして日和見菌を善玉菌の味方につける事が必要です。

 

 

分 類代表的な菌作用体への影響
善玉菌ビフィズス菌、乳酸菌

ビタミンの合成、感染防御、

免疫刺激

健康維持、老化防止
悪玉菌大腸菌、ウェルシュ菌発がん物質の産生、ガス発生病気の引き金、老化促進
日和見菌連鎖球菌、バクテロイデス 善玉菌、悪玉菌どちらか優位な方に加担する

 

腸内環境を整えるには

ヨーグルト、チーズ、漬物など発酵食品のイラスト

腸内環境を改善するには野菜、果物、海藻類、豆類などに含まれる食物繊維やごぼう、バナナ、玉ねぎ、はちみつなどに含まれるオリゴ糖を多くとり、肉を多く食べ過ぎないようにすることが大切です。
また、乳酸菌に代表される善玉菌を増やすことも重要です。乳酸菌を多く含む食品にはチーズ、ヨーグルト、味噌、漬物などの発酵食品があります。
バランスのよい食事をこころがけることも大切です。

腸内フローラと病気

腸内フローラの乱れは便秘や肥満や肌荒ればかりではなく、ガン、糖尿病、アレルギーなどに影響を与えることもあるとされており、腸内フローラの改善によってそれらを予防することが出来る可能性があります。
悪玉菌が増殖するとアンモニアや硫化水素など多くの腐敗物質が作り出され、腸壁から吸収され血流に乗って全身を巡ることになり、その結果さまざまな病気を引き起こすリスクを高めると言われています。放っておけば悪玉菌が増加しやすい60歳以降は病気の発症のリスクもより高くなります。
細菌やウイルスなどの病原体を攻撃する免疫細胞は6割以上が腸に集中しています。腸内フローラの改善は、免疫細胞の活性化にもなると言われています。

食事以外で腸内環境を改善するには

ウォーキングをする4人の老若男女のイラスト

運動は自律神経を整え、腸の活性化にもつながります。

散歩をする、ラジオ体操、ストレッチなどの軽めの運動や、お腹を動かすための腹筋運動なども効果があります。

また、ストレスの軽減・休息、適度な運動、睡眠など生活習慣を整えることも腸内環境に良い影響をもたらします。

(薬剤師 鹿田 幸毅)