検査値について

特集 No.174 2021年5月発行

健康診断などで採血をして、その結果を見て嬉しくなったりガッカリしたりすることがあると思いますが、どの項目がどのような目的で検査をしているの?と考えたことはないでしょうか。
そこで今回はたくさんある検査値の中で、血液検査の一般的なものについて紹介します。

肝機能

肝機能
検査項目基準値解説
AST(GOT)8〜38U/L肝臓にある細胞で作られる酵素で、肝臓に障害が起きると数値が高くなるので肝臓の病気を見つけるための目安になります。
ALT(GPT)4〜44U/L
γ-GT(γ-GTP)男性:80U/L以下
女性:30U/L以下
肝臓での解毒作用に関わっています。アルコールに対する反応が敏感なので、お酒をたくさん飲む人は数値が高くなることがあります。

腎機能

腎機能
検査項目基準値解説
UA(尿酸)7.0未満痛風の原因となる物質です。この数値が高くなると結晶化して関節などに溜まって痛風発作を起こしたり腎障害を起こしたりします。
Cr(クレアチニン)男性:0.66~1.11mg/dL
女性:0.50~0.86mg/dL
老廃物(体に不必要になった物
質)の一つで、腎臓から尿と一緒に排泄されます。腎臓の機能が落ちると血液中に溜まってしまうため、腎臓の働きを見る目安になります。

電解質

電解質(K,Na,Mg)
検査項目基準値解説
K(カリウム)3.5~5.0mEq/L体の中にある余計な塩分を体の
外に出します。下痢や嘔吐などで低くなり、腎障害などで高くなります。どちらの場合も不整脈が起きることがあります。
Na(ナトリウム)137~147mEq/L体内の水分量を調節します。塩分を多くとってナトリウムが多くなると血圧が上がりやすくなります。
Mg(マグネシウム)1.8~2.4mg/dL体のいろいろな機能を助けます。心臓や血管の働きにも大切なものです。マグネシウムを含む薬を飲んでいると高くなることがあります。

コレステロール

コレステロール(HDL,LDL)
検査項目基準値解説
TC(総コレステロール)130~220mg/dL細胞や血管を作るために必要な
ものですが、増えすぎると動脈硬化などの原因になります。
TG(中性脂肪)(空腹時)30~149mg/dL体の中で一番多い脂肪です。高くなるとコレステロールと同様、動脈硬化の原因になります。食事の影響を受けやすいので、できるだけ空腹時に検査をした方がいいでしょう。
HDL-C(善玉コレステロール)男性:40~90mg/dL
女性:40~100mg/dL
血管に付いたコレステロールを取り除き動脈硬化を防ぎます。この数値が低くなると動脈硬化になりやすくなります。
LDL-C(悪玉コレステロール)70~139mg/dLこの数値が高くなると血管壁に蓄積して動脈硬化になりやすくなり、心筋梗塞などになる恐れがあります。

糖尿

糖尿
検査項目基準値解説
GLU(血糖値)(空腹時)70~109mg/dL血液中のブドウ糖の濃度です。食事により大きく上昇するので、検査をするときは空腹時の方がいいでしょう。
HbA1c4.6~6.2%過去1~2か月の血糖値の平均的な状態を見ることができます。血糖値が高い状態が続くと増加します。

甲状腺

甲状腺
検査項目基準値解説
TSH(甲状腺刺激ホルモン)0.400~4.00μIU/mL甲状腺ホルモンの分泌を促進さ
せます。甲状腺ホルモンが多いと低くなり、逆に少ないと高くなります。
FT31.0~1.7ng/dL甲状腺で作られるホルモンで、甲状腺の病気の時に高くなったり低くなったりします。
FT42.0~4.0ng/dL

検査結果は過去の結果との変化を見るためにもファイルなどに保管をしておいた方がいいでしょう。
今回紹介したもの以外にもいろいろな検査値があります。
健康診断などの結果を見て気になる検査値があれば医師などに気軽にお尋ねください。

(薬剤師 片野 智)

“基準値(基準範囲)”ってなに?

一言で言うと、健康な人の95%が含まれる範囲です。
これは、健康な人の検査データをもとに95%の人が含まれる範囲を基準値としています。
つまり、たとえ健康な人でも5%はこの範囲から外れるので、少し外れたからといってすぐに病気と判断されることはありません。
以前は「正常値」と呼ばれていましたが、『正常値だから健康』『正常値から外れたから病気』という勘違いを防ぐために基準値と名前が変わりました。
基準値は施設によって多少異なるので、検査を受けた場所での基準値を参考にしてください。
基準値から外れていた時でもガッカリすることはありません。このことをきっかけに生活習慣を見直して、次の検査の時に基準値に入れるようにしましょう。

(薬剤師 片野 智)